対電忍スピンオフ作品集
アーカーシャチャンネル
エピソード:デンドロビウム『ミッションブレイカー』
これは、令和になってから数年後、もしくは……。
いわゆる対電忍にまつわる事件のスピンオフとも言える話となるだろう。
『やはりか。ここまでくると、もはや……』
とある男性の声を耳に付けたインカムから聞いていたのは、メイド服にツインテールと言う外見の女性である。
携帯しているものと言えば、両腕に装着した銀色の篭手のような形状をしたARガジェットと言うARゲームで使用する端末が目立つのだが……。
他にも色々とあるかもしれないが、ARガジェット以外は大きく注目すべき箇所はないと思われる。
彼女はアキバガーディアンと言う組織に所属しているメンバーで、コードネームはデンドロビウム。
極秘任務という事で、秋葉原にある会社のビルに潜入していた彼女は、周囲を見回して何かの違和感を持った。
その理由は、どう考えても無人ビルの類で、ポスターなどが貼られているような気配もないのである。
彼女がこのビルへの突入と言う極秘任務を任されたのは、世間がダンジョン
ネット上では、ある総選挙における掲示板が無関係なポスターにジャックされるという事件が話題になっていた辺りか?
秋葉原駅の近辺にも掲示された掲示板ジャックの光景を見た彼女の耳に、その話が……と思われたが実際の内容は別のものだった。
『デンドロビウム、極秘任務だ。SNSに存在する炎上勢力を一掃してほしい』
「一掃ですか? とあるプログラムを使えばすべて決着するのでは……」
聞こえてきた男性の声、それは秋葉原本部長の男性である。本部にある本部長室から通信しているようだ。
お気づきの方もいるだろうが、これはいわゆる特撮版ベースのスピンオフドラマ、いわゆるホームページ上で掲載されたショートムービーとも言えるものだろう。
そういった関係もあり、本部長はガンライコウではない。分かる人にしか分からないようなものだが。
デンドロビウムの方も、ため息を漏らすわけではないのだが……思う部分はあった。
『時期的な関係で、そういったランサムプログラムまがいなものは使えないのだ。いわゆるSNS炎上回避と言うか……』
「物理制圧も同じようなものですが」
『ダンジョン神の一件は知っているだろう? つい最近、話題の……』
「まぁ、そういう事にしておきます」
そして、本部長の方は無線を切る。色々な意味でもガーディアンにとっては、炎上すること自体が都合の悪い事かもしれない。
この時期は、いわゆる炎上行為で利益を稼ぐような炎上系インフルエンサーも存在していた。例えば、
更に言えば、コメントなどの反応をしていると見せかけて、アフィリエイトを得るために無関係なコメントを投下するインプレゾンビ……そうした勢力も多くいたのが、ガーディアンにとっても神経質になっていたのかもしれない。
ガーディアンの目的はSNSの正常化なのだが、一歩やり方を間違えれば……炎上系インフルエンサーなどとやり方が同じと言われかねない。
ブラックバッカラ事件、これがガーディアンに多くの課題を残す結果になったのは言うまでもないだろう。
そこからネットガーディアンの解体、様々な法律の整備などがわずか数日のうちに行われ、忍者構文の事件が起こった。
突入準備は連絡を受けてから、わずか数十分弱で行われた。場所に関して言えば、ガーディアンがすでに把握済みだった様子。
なりすましによるSNS炎上は、今も社会問題になっており、ガーディアンとしても一掃は課題のひとつと言える。
しかし、試作型ランサムウェアを投入するにはリスクが存在しており、物理的に突入して一斉検挙を行う方が早いと判断されたのだ。
下手に試作型のプログラムを使い、逆に悪用されたら、それこそブラックバッカラ事件の二の舞なのは確実。
「やれることは、やっておきますか」
彼女がビルに潜入してわずか数分後には、なりすまし勢力は一掃されることになった。
彼らが行っていたのは、いわゆる有名人になりすました投資詐欺の系列ではなく、相互評価で記事が載りやすくするような誘導タイプ……と言えるだろう。
投資詐欺系列のなりすましはテレビなどで言及されることもあり、注目されているケースなのだろうが、今回のケースは注目されていない。
いわゆる炎上している記事に反応を行い、それを載りやすくしてまとめサイトなどで取り上げ、アフィリエイト利益を得る悪質な勢力が増える……そういう事なのだろう。
アクションシーンが一切入っていないように見えるかもしれないが、いわゆるコンプライアンスとか……そういった事情、もしくはメディアミックス化した際に映像化などされるというパターンだろう。
おそらくはARガジェットの能力を見せないようにするため、意図的に隠されているとも言えるかもしれない。
(このガジェット……アガートラーム自体、そのプログラムがほとんど似たようなものかもしれないし……)
彼女の使用するガジェット、アガートラームはその性能こそ謎の部分は多いが、瞬時にして炎上勢力を一掃するともいわれている。
その後、ネット上ではなりすまし勢力一掃のニュースが拡散されることになった。
ガーディアンの行動は、SNS炎上の火種になりそうな物を無差別に沈下していくようなものが多い中、衝撃をもって迎えられたのがデンドロビウムの件だろう。
今回の件で拘束された炎上勢力のインフルエンサーがどうなったのかは、一切発表されていない。
ブラックバッカラ事件では、ガーディアンが摘発した炎上勢力のメンバーを逆にガーディアン側に吸収したのでは……とも噂されたが、それは否定された。
果たして、その真相とは……と言っても、このメモ自体がいわゆる二次創作メモの部類であり、実際のデンドロビウムが活躍した一件なのかも疑わしい。
彼女がなりすまし勢力の一掃をしたというのは事実のようだが、その真相は定かではない。
対電忍スピンオフ作品集 アーカーシャチャンネル @akari-novel
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。対電忍スピンオフ作品集の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます