謝罪と手料理②

「……ただいま」


 コンビニから帰宅した千尋ちひろが、若干震えた声音と共にリビングへと足を運んだ。


「……おう、おかえり」


「……にいさん、帰ってたんだ。……顔色悪くない? 大丈夫?」


 台所にて膝をつく俺を見て、千尋は口を開いた。


「おかえり千尋♪」


 奈央なおは鼻歌交じりに、こんがり焼けた餃子を皿に乗せて食卓へ並べる。


 不安に満ちた表情を浮かべつつ、俺を見る千尋。


 俺は千尋を安心させるために、ぐっと親指を立てた。


「……兄さん!」


 千尋は安堵に満ちた笑みを浮かべる。


 お兄ちゃん頑張ったよ!餡に苺ジャムやらスナック菓子を入れかけたりした幼馴染を全力で阻止しました!


 炊飯器から炊きたての白米を茶碗によそう。


「二人共早く食べよう」


 奈央に促されるがまま、俺と千尋は食卓に着いた。


「「「いただきます」」」


「千尋。こっちが、私が包んだ方の餃子だよ」


 柔和な笑みを浮かべて言う奈央に、千尋は額に脂汗を滲ませながらちらり俺を見た。


 本当に、本当に、本当に大丈夫なんだよね?


 ――と、目で訴えてきた。


 俺が無言で頷くと、神妙な顔つきで、千尋は一味が絡んだ酢醤油を付けて餃子を口にした。


「――あ、美味しい」


 千尋の言葉に、満面などや顔を此方に向ける奈央。……はいはい、よかったね。


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 夕食を終えて、台所で洗い物に手を付けながら、ソファの上で寛ぐ二人に向けて口を開く。


「俺、明日から挨拶運動に参加するから」


「へー」


「ふーん」


「「ん?」」


 奈央なお千尋ちひろは口を揃えて首を傾げた。続けて奈央が口を開く。


「なんで?」


 ちょっと語気強くない? 


 なんでと問われても、返す言葉は一つしかない。


「奉仕活動の一環」


「……ちっ」


「舌打ちやめてね?」


 にこっと口角を吊り上げながら千尋は言った。


にいさんは、奉仕活動と僕どっちが大事なの?」


「千尋に決まってんだろ!!!」


「……えぇ、食い気味」


 千尋どん引きである。


 千尋は苦笑気味に口を開いた。


「……まあ、奉仕活動なら仕方ないね」


 奈央は小さく頰を膨らませた。なんで、こんなに怒ってるんだろうこの子……。


 …………ははーん、さてはこいつ、一週間とはいえ、朝一人で起きれるのか不安なんだな?


「奈央」


「なに?」


「モーニングコールは欠かさずやるから、安心してくれ!」


 俺は親指を立てて、柔和な笑みと共に、はっきりと言った。


「は? 黙れカス


 鋭い剣幕と共に、幼馴染から容赦のない罵倒が飛んできた。


―――――――――――――――――――――――

友人が鎧武にハマる→平成ライダーでおすすめの作品を聞かれる→龍騎と555を全力で薦める→特に龍騎は映画とスペシャルの方も両方見た方が良いと説明/555のパラダイス・ロストも良いぞ!→現在、蟹刑事がモンスターに喰われるところまで見たとのこと。


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