【男性向けシチュボ】隠キャな引きこもり幼なじみに縋りつかれる【フリー台本】

真己

隠キャな引きこもり幼なじみに縋りつかれる

想定イメージ

話し手:周囲を歪んだ目で見ている、隠キャな引きこもり幼なじみ。

むかし助けてくれた幼なじみくんに、「自分を救ってくれる存在」という理想を押しつけて、依存している。

夢は、幼なじみくんのお嫁さん。


幼なじみくん:誰にでも優しい委員長タイプ。先生に言われてか、自分の意志でが、会いに行く。

いじめの原因に自分があると知り、距離を取ろうとしたら、縋り付かれる。


注意事項

・幼なじみくんは、幼なじみちゃんに変更可。

・虐めを行うクラスメイトの女子に対し、暴言を発する部分があります。

 こちらに関しては、使用時に削除して頂いて構いません。



本編



ああ、もうやだ、やだ…………なんで朝ってくるんだろ……なんで学校なんかに行かなきゃいけないんだろ……。


あんなところ、口がうまくて、誰かをこき下ろすのがうまいやつらが得する場所じゃん。あたしは、教室の隅でいるだけでいいのに…………それだってからかってくるし……。


勉強だって、学校行かなくてもできるし…………宿題、進んでないけど…………。


もうやだぁ、やだぁ、ゲームだけしていたい…………こんなあたし、生きてる価値、あるのかな…………。


SE ノック音


なに、お母さん……あたし、……行かないから……。


学校なんかいかないし、誰も部屋に、あたしの世界に入ってこないでよ……!


って、え……幼なじみくん?


き、来てるなら言ってよ、お母さん……!


な、なぁんでぇ……? だって、今こんな時間で、あんまりのんびりしてたら学校、遅刻しちゃうよ。なのに、あたしに会いに来てくれたの。


うそぉ、えっと…………、入る……? ほんとは誰も入れたくないけど、幼なじみくんならいいよ。……うん、だって、きみは特別、だから。


あ、待って! 3分だけ、待って。着替えるから、お願い。


SE どたどたとクローゼットを開く音


…………、ほら、いいよ、……入って。


「お邪魔します」って、そんなかしこまらないでよ、なんか、ヘン、な感じ、する。


換気したから、寒かったらごめん……。


………それで何の用、かな? あ、違う、きみが来てくれたことがイヤとかじゃないの、そのえーっと、言葉がわるい、あたしだからいつもだめで………。


えっと、きみが、あたしに会いに来てくれた理由が、知りたいんだ。


………すっごく、うれしかった、から。


ほんとに、うれしくて、他人の視線はこわいけど、きみなら平気、で、普段なら手がブルブル惨めに震えちゃうのに、ほら今だって貧乏揺すりもしてない。


「それは、あたしが人見知りを克服したから」?


………ちがうよ。全然ちがう。


じゃあ、なんで、って、そんなの、………わかりきってる。


………………きみだから、なんだよ。


あたしにとって、きみがとくべつ、なんだから。………ずっと、むかしから。


覚えてるかな………小学生になったばっかのころ、あたしがゲタ箱で泣いてた、こと。


どこに行ったらいいか分かんなくて、ぜんぶが全部おっきくて、しらないところに迷い込んだみたいだった。


不安で、どうしようもなくて、ただ泣き喚いてた。


そ………今とおんなじ。あのときから世界は何も変わっちゃいない。あたしはいつだってのけ者で、弾き出されちゃう。


でも、きみだけは、あたしに話しかけてくれた。泣いてるあたしの手を引いて、教室まで連れて行ってくれた。


………それがほんとに、ほんとに、うれしかった。


このわけわかんない世界で、幼なじみくんだけが、あたしの支え。ゆいいつ、信じられるもの。


他はぜんぶゴミクズ。存在してる価値、ない。


特にクラスの女たち。あいつらは、あたしときみの距離が近いとか、幼なじみだから調子のってるとか、ブス、死ねとか言ってくる。


うざったい。早く死ねばいい。きみのこと以外、視界に入れたくないのに、わざわざつっかかってくるの、ほんとなんなんだろ。暇なんでしょ、男と見たら乳繰り合うことしか頭にない、バカ女たちが………。


あ! 心配しないで! こんなことじゃ、幼なじみくんへの思いはゆるがないから。きみとあたしの関係に、誰も割り込ませない。


世界なんて、あたしと、きみ、だけで、いいよね………?


だから、学校に行こう、とか言っても、ムダだよ。


あたしは、きみだけがいてくれればいい、から。


だって学校いっても、イヤな目にあうだけ。引きこもってても、きみはこうやって来てくれる。外に出てまでやりたいこと特にもないし………、人生とか、将来とか、希望なんて、……ない。


……目標? 目標なんか、ないけど、………そうだな、………夢、なら……。


ゆめ……夢が、一個だけなら、あるんだ。


でも、あの、その、きみにも関わること、だから……。


聞きたい?


………ねえ、なんでだまるの。どうしたの、幼なじみくん。


な、なんか言ってよ………あたしに、悪いことしちゃった………?


え、あたし、おかしなこと言った……? な、な、なら、なら、謝るから……!


え………?


もう、会いに来ない………? にどと………? なんで、なんで、なんで!?


自分のせいで、あたしに苦しい思いをさせてるから?


ちがう、ちがうよ、きみはわるくない。


それに、あたしが疲れてるって? 悪口をいうほど、追い詰めさせてしまったって?


それがどうして、離れる、になるの、いやだよ、いや、いや、いや、イヤ………!


幼なじみくん、ねえ捨てないで。お願いだから、捨てないでよ……! 捨てないで、すてないで。


なんでもする、あたしができることならなんでも…………っ、


あたしのすべて、幼なじみくんのもの、なんだよ。


ほんと、ほんと、このカラダも、心も………!


だから、おねがい……っ、幼なじみくんだけは、みすてないで。だめなあたしのこと、それでもいいって、言って、お願い、おねがい、おねがい……っ!


ゆめならあるから、もったいぶってごめんなさい。だから、気分を悪くしちゃったんだよね………?


あのね、あたし、きみのお嫁さんになりたいの。


そう、お嫁さん。みんなが祝福してくれる、せかいで一番幸せなひと。世界の中心の主役、あのお嫁さんに、なりたいの。


真っ白なウェディングドレスを着て、お日様の光をキラキラ浴びて、みんなが笑顔であたしに花を投げてくれる。


きみはタキシードを着て、今まで一番の笑顔を浮かべて、あたしをエスコートしてくるんだ。


それだけなの、詰んでるあたしに残っているのはそれだけ。


きみのお嫁さんになりたい。


こんな芋っぽい服じゃなくて、薄暗い灰色の部屋で引きこもってないで、クラスメイトに睨まれたり、ゴミとか投げつけられたりしない。


そんなすてきなあたし、すてきなきみのお嫁さんに、なりたいの、してほしいの。


だから、おねがい、見捨てないで。


きみに、きみにまで見捨てられたら、あたし、どうしたらいいか、わかんなくなる。


おねがい、みすてないで、ずっとここにいて。このせかいに一人にしないで。


幼なじみくんが幸せにしてくれないなら、あたし。


あたし、いきてるいみ、ない。




クレジット例

真己

「【男性向けシチュボ】隠キャな引きこもり幼なじみに縋りつかれる【フリー台本】」

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22428027


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