帰宅あり異世界転生アルバイト チート能力もらって無双出来るが敵が強すぎる
@shirokeza
第1話 ツンデレ神様と転生者
「私は神、クラウディエル=ワイズマンよ! ゆうと! あんたは日本での不慮の事故によって命を落として死んでしまったわ! だがら今から数多の世界を救う為の魔術が存在する異世界転生及び転移その他諸々の準備をするわね! 質問は今は無し! べ、別に意地悪とかじゃないから! 勘違いしないでよね!?」
俺は先ほどまで学校ろ帰り道を歩いていたのだが気がついたら今この謎の空間で見知らぬ自称神を名乗るツンデレ女に死んだとか転生しろとかあまりにも荒唐無稽な事を宣告されていた。
なるほどな。
道理で体が妙に軽く。
「ってならないぞ。」
俺は思わず心の中にあったツッコミをいれた。
「なんでよ!?」
「いやなぜとか言われましてもねぇ。 いきなりあんたから死んだんで異世界行けとか言われても理解が追い付かない。」
「追い付く必要があるわけ? どうせ世の中そんな事ばかりなのに? それに関して何かある? ないわね? ならさっそく異世界に」
いやそんな世の中の真実を突いた風の返しとごり押しされてそうですねって理解できるほど俺の頭は柔軟ではない。
「いや世の中はそうでも俺は納得できないよ。」
「ならどうしろと?」
「どうしてその異世界転生をしなければ行けないのかの最低限の説明を頼む。」
異世界転生の知識はアニメ視聴とかで一応あるので、俺は本当に死んだのかとか本当にお前は神様なのとかの細かい理由はどうでもいい。
そこはなんとなくだが真実ぽいと頭が認識しているから。
だから簡単な理由を説明をされた上でならこいつの言い分を聞いてやらん事こともない。
かなり無茶苦茶で急なのはわかっているがこういう事に一々つっこんでいたら話が進まないと思うし。
「勘違いしないでよね!? べ、別にあんたに世界を救ってもらいたいからとかそんなのじゃないし!」
どういう説明の仕方なんだよ。
前半に求めているセリフはそれじゃない。
「ちゃんと説明しろ。 世界を救ってほしいのはわかるけど俺が知りたいのは理由のほうよ。」
知りたいのは何で異世界に行くのが俺なのかという事である。
俺が選ばれたなんちゃらとか簡単な解説が欲しいのよ。
自分の中にアニメの知識あるんだからその辺はなんとなくで良くないか?と言う考えも浮かんだが、そこに関しては必ず理由があると思われるので心の準備も兼ねて聞いておきたい。
「とりあえず目的とやらはわかったからさ? なぜ俺がという部分を話して欲しい。」
「どうしてよ? さっきの説明でわからないわけ!?」
「いや目的だけ話されても納得ができないのよ。俺が選ばれた理由を知りたいのよ。」
「はあ……あんたは死者達の中でも飛び抜けて異世界適性という物が高いから選ばれたの! これで良い!?」
最初からそう言ってくれよ。
「お前の話を簡単に纏めると、俺は死んだが異世界適性とやらが高いから転生して数多の世界を救って欲しいと。そういう事でいいんだな?」
「そうよ!」
ちょっとおかしいところもあるけどこれならなんとなく理解できるな。
まあ正直異世界適性ってなんだよとか、他の死者の適性の詳しい数値を提示しろとかツッコミを入れたいけどそこを突き詰めたらめんどくさい事になるからいいや。
「じゃあ早速あんたには不相応だろうけど転生特典としてチート能力を一つ……」
チート能力
アニメの知識になるが転生者が異世界に行くにあたり向こうの世界の常識に置いていかれないように神様が自身の力を使って該当者に特別な能力を授けてくれるとかいうやつの事。
その能力は様々で空を飛べるとか、知識を増やすとか、炎を出すなど数多く存在する。
そしてこういうのは決まって転生者一人につきチート能力は一個なので慎重に考えなければならないのだ。
神様は世界を救えと言って来たのでここは戦闘に特化したものを選ばないと後が大変になるだろう。
よしならここは……
「なら俺は「だけ与えようと思ったんだけど昨今は世界に仇なす敵の魔術が強すぎるせいで半端な物を与えたところで意味を成さない為、ゆうとにはチート能力を全て差し上げるわ! か、勘違いしないでよね!? これは別に心配だからとかじゃなくてあんたに押し付けるだけなんだから!」
え?
「全て能力ってどういう事? というか敵が強すぎるって何?」
「そのままの意味よ! それくらい解りなさいよ!」
またそれかよ。
しっかり説明してくれって。
ツンデレは勢いでなんとかなるというのは理解しているけどここでそういうのは駄目だからな。
「はあ……とりあえず俺に与えられる能力は万能の魔術という事でいいんだな?」
とりあえずわかるところは省く。
細かく一つ一つ聞いて言ったら謎が増え続けて首が回らなくなるというのがオチだろうし。
あと謎のごり押しがうざいから。
「そうよ! 全く……ご飯が瞬時に温められたり、扉を手を使わずに開けられたりとか聞いたらそのくらい一回で解るでしょ?」
それを自分で出来るのはすごいけど例えがショボいよ。
まあとにかく万能という事で相違ないと。
「オーケー。で? その敵が強すぎるというのは? 簡単に分かりやすく説明を頼む!」
こう言わないとそのままの意味だとか言われてまた質問するとかいういたちごっこになりかねないし。
「それもしないと駄目なの!? 仕方ないわね……とりあえずこっちの調査で簡単にわかっている事になるけどいい? 文句は言わせないわよ?」
「構わない。」
「じゃあ簡単に言うわよ? えーとある世界では謎の勢力が魔王と勇者を滅ぼしたり、ある世界では神に匹敵する剣の達人達が謎の勢力にあっさりと破れたり、またある世界では神の力を持つ存在が出現したりとかね! 他にもあるけどとりあえず今はこれだけね。ちゃんと聞いてた? もう二度は言わないわよ?」
想像よりもめちゃくちゃヤバいじゃねーか。
神がどうとかこんなのチート一個でどうにかなる相手じゃねーわ。
「ちなみにだけどさ? この件を神様が何とかしようとかないの?」
アニメとかで神には守るべき秩序とか流れがあるとか見た事あるけどこいつら相手にそんな事は言ってられないでしょ?
「そんな事を聞いてどうするわけ?」
「いやどうなのかなって気になったのよ。」
「ったく仕方ないわね! 負けたわよ! 完膚なきまでにね!」
「え。」
神様が負けちゃったのかよ。
もしかして俺が思っている以上に状況は最悪なのか?
「じゃあどうするんだよ。そんな相手に人間である俺がチート能力持ってても叶うわけ……」
「勝てるわよ!」
「何で?」
「あんたに与えるのは文字通り全ての能力だから!! 私達の神々の力なんて比較にならないから!」
そんなものを不用意に人間に与えたらまた同じ事の繰り返しになるとか言う考えはないのか……まあその辺もいいや。
「そうなのか?」
「そうよ!! 他の奴らは面倒……チート能力と適合しないからこの方法を使わないけど、適性の高いあんたならこの力を上手く扱う事ができるから! ここまで聞いておいて今さら弱音なんて吐くんじゃないわよ!」
今聞きずてならない事を言ったよな?
「おい、それはどういう?」
「ごちゃごちゃうるさい! 黙って異世界に行く! 能力付与! 転移!」
瞬間俺の体が光輝く。
おいこれもしかしてこのまま異世界にいくんじゃねーの?
「おいふざけんな。まだ行くなんて言ってないぞ? ちゃんとした整理やらなんやらの前に勝手に決めるな。」
「男何だからこういう時くらいどっしり構えなさいよ!」
そういう事言うんだ?
そっちがそう言うならこちらも酷いことを言うぞ?
「何がどっしり構えろだ。お前は見てるだけなのに。」
アニメとかだと神様はここでチート能力渡して傍観者に徹するのが基本だし。
「なっ!?」
神の顔が真っ赤であった。
どうやら効いているようだな。
もうこの際だ。
どうせ行くことは曲げられないならここは諦めてその世界の救済とやらに参加する覚悟を決めてやるよ。
代わりに今ここで色々溜まりに溜まった不満をぶちまけてやる。
「他力本願!人任せ!見てるだけの力なき神!悔しかったら異世界の旅にちょっとでもついてきてみろ!」
神の表情に青筋が出ていた。
女の子にこんな事を言うのは気が引けるが仕方ない。
だってこのまま俺だけ過酷な旅に出てこいつがここでふんぞり返ってる姿を想像したら堪らなく惨めだから。
「へえ……? じゃあちょっと違うかもだけどもし仮にあんたの旅に私がサポートという形で声だけ同行するという事になったらどうするわけ?」
何か妙な事を言ってきたがどうせ例え話だろうな。
「世界の秩序をここで守る神様が一人の人間相手にそんな暇作れるのか? そうだな……仮にもしできたならお前からの罵倒でも何でも受け入れてやるよ? まあ出来たらの話だけどな?」
「言ったわね? その言葉忘れ」
瞬間俺はその場から移動した。
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