第22話 別の手
……少し時間をさかのぼる。
ダンジョン配信を終え家に帰ってきた俺は、ムサシ武将さんに教えてもらったアプリを入れ、ダンジョン探索の募集を探した。
が……
「ぐぬぬ、このパーティも、こっちのパーティも……全部レベル10以上じゃねえかー!」
さっそくいつものダンジョンに絞って募集を探してみたが。全てレベル10以上の募集だった。
まあ、でも考えてみれば、あのダンジョンの低層でも他のダンジョンより出てくる魔物は強いから……これも仕方ないのかも?
なんて……
「待てよ、いっそのこと俺が募集をかけてみるか?」
その手があった!
俺は明暗を思いついたとばかりに募集を書き込む……が……
「ええ⁉第四ダンジョンの募集は最低10レベルから!?」
うっそだろおいっ!
「ぐぬぬ、じゃあレベル募集の設定を上げて……って、それもダメ!?」
実はこのアプリに登録する際、俺の探索者証明書を最初に登録していたのだが……なんでも、自分のレベル以上の募集をかけるのは禁止らしい。
何だよこのクソシステムー!
受付の人はどんなレベルでもいいって言ってたじゃないかー!
これじゃ、パーティ組めないよ……もう詰みじゃん……
「ぐぬぬ……」
っていうか受付の人のうそつき―!
なんレベルからでも入れるって言ってたじゃん――!!
「どうすれば……」
――パーティを組めば誰でも入れますよ――
――レベル以上のパーティ募集ができないシステム――
「あ、そっか」
これ、レベル以上のパーティ募集できないのあくまでアプリの仕様なだけでは?
「ってことは、もしかして別のアプリを使えば行けるのでは?」
別の募集アプリがあるかどうかは知らんけど。
「とりあえず探してみるか……」
そう思って、別のアプリを探すが……
全部第四ダンジョン最低レベル10~&自分のレベル以上の募集ができない同様の仕様だった。
……マジかよ。
■■■
結局、募集アプリでパーティ集められなかったから俺は別の手を取ることにした。
それは……
「私は天音 美玖、この子は木嶋 加奈そして……」
「俺は尾田 大輔ッス!よろしくっす!」
そう言って挨拶をしたのは、まだ高校生くらいの若い男女三人組だった。
天音 美玖と名乗った子は、ツインテールで気の強そうな雰囲気があり……どことなく、しっかり者な感じがする。おっぱいは大きい。
そんな美玖ちゃんに紹介された、木嶋 加奈ちゃんは、俺と同じくらい髪が長く、前髪で目元が若干隠れている如何にも、大人締めな雰囲気を漂わせている。
おっぱいは小さいかな?ゆったりした服を着てるからわからない。
そんな加奈ちゃんは何故か俺の事をじっと見ている気がした。
……なんか、すっごい見られてる気がするなー。
気のせいかな?
そんな二人とは別に一人、尾田 大輔君。
彼は美玖ちゃんと加奈ちゃんとは別の高校の子なんだとか。
スポーツマンタイプというべきか、ガタイが良く、元気で笑顔がキラキラしている謎の魅力がある好青年だ……
……別に俺はホモじゃないからな?
こほん……とまあ、とりあえずそんな彼らが今回一緒にダンジョンに潜ってくれるパーティだ。
皆まだ高校生で、美玖ちゃん以外レベル1の初心者さん。
募集アプリでパーティ集められなかった俺が考えた別の手、そうそれは初心者さんと仲良くなって一緒に深層に潜ってくれそうな子を探そうって作戦だった。
「えっと、百鬼 良太郎です……よろしくお願いします」
そう言って俺はぺこりとお辞儀をする。
「良太郎……?男みたいな名前……あ、すみません」
「いいん……ですよー……あの、男なので」
「男の人……え、ええええ⁉」
そう言って未来ちゃんと、その隣にいた加奈ちゃんはたいそう驚いていたのだった。
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