碁楽斎日乗
@gogozeze111
段位認定大会
6/23(日)に日本囲碁の総本山、日本棋院にて段級位認定大会が行われた。
囲碁というものはお年寄りがのほほんと打っているようなイメージがあるだろうが、実際はそうでもない。
そもそも囲碁というものは相手が打ちたくない手を渋々打たざるを得ない状況を作り出すこと終始するゲームである。
絶好点に打った時に硬直する相手。
しばらく手が止まり苦渋に満ちた顔で絶対に打ちたくない場所に打たされてしまう。
その顔を見ることに至上の喜びを見出す。
それが碁打ちである。(多分違います。私だけです。ごめんなさい。)
またその逆に相手の言いなりには絶対になりたくなく、例え少し不利になるものだとしても相手の意図とは違った場所に打つ。
そのような意地悪でひねくれた連中がどんどん強くなっていくゲームである。
そしてこの日本棋院の段位認定大会というものは上手く出来ていて同じ勝敗の者同士が当たるいわゆるスイス方式というもので4回戦、五段以上は5回戦行われる。
初段戦に16人がエントリーすれば4-0が1人、3-1が4人、2-2が6人、1-3が4人、0-4が1人という結果になる。
段位認定大会というからには段位を認定してもらえるのであって、何をもってこの段位を証明するかといえば段位免状というものである。
何やらやんごとなき素晴らしい材質なのがわかる和紙に毛筆で漢文調のありがたいお言葉が書かれているものである。(私には読解不可。)
その後ろに日本棋院の会長とプロ棋士3名の直筆の署名が並んでおり、貰うととっても嬉しい気持ちになれる不思議な紙がこの段位免状というものである。
この段位免状は大会でどれくらいの成績を挙げればよいかというと2-2以上である。
そう言われると簡単な気もするのだが(実際2-2というものは少々の棋力不足でも達成できる。所感。)、このシステムの恐ろしいところはその免状の料金体系である。
初段免状33,000円、二段免状44,000円、三段免状55,000円、四段免状66,000、五段免状110,000円、六段免状220,000円、七段免状550,000円である。
この値段を見て高いと思われただろうか?
誰がそんなものわざわざ購入するだろうかと思われただろうか?
しかしそこには素晴らしい制度があり、この大会を2-2(3-2)で終えた人にこちらの正規料金が適用されるのである。
そして3-1(4-1)で終えた人は半額に、4-0(5-0)と全勝した人に至るとこれが無料になるのである。
何万もするものが無料である。
七段に至っては550,000円が0になるのである。
当然参加者は必死に全勝を目指すのである。
1回戦、2回戦、3回戦と勝ちが続けば続くほどに緊張感は増していく。
そして相手も強い相手だけが残っていく。
非常にヒリヒリした緊迫感。
そして絶対に全勝したいという執念。
飄々と打つ人、重圧からか空回りする人、痛恨の見落としをする人、決してあきらめずに悪あがきをする人。
そのなかで本当に強い人がこの全勝で無料免状を手にするのである。
それが囲碁の段級位認定大会である。
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