6/30 日

今日は陸上の記録会がありました。私は再来週くらいに大事な大会を控えていたので、共通女子リレーだけ出ることにしました。他の皆より比較的暇だったので、これはわんちゃん後輩くんと一緒に居られる時間が長くなるのでは…?と思いました。が、その願望は儚く砕け散り。

男女でテントがくっきり分かれてしまい、男子テントに行こうとも行けなくなってしまいました。おまけに雨天決行のこの記録会、めちゃめちゃ雨が降っていました。

後輩くんに近寄ることさえ叶わず、私はちょっとだけ遠くから後輩くんの横顔を眺めていました。

どうにか目を合わせてもらえないものか、そう心で念じながらやや熱い視線を送ると、後輩くんがこっちをちらりと見てくれました。

目が合って一秒、後輩くんはちょっと驚いたような顔をしたものの、すぐに小さく微笑みかけてくれました。すかさず私も微笑み返し、三角座りをした膝に顔を埋めます。ずっとそっちを見ていたら、にやけてしまいそうだったから。


そして記録会が終わり、テントやブルーシートなど、持参した荷物の片付けも済みました。私たちがテントを張っていたところから送迎のバスまで、少し距離があります。バスのほうへ移動するには、競技場をぐるっと回っていかなければなりませんでした。そのぐるっと回る際に、後輩くんと隣に並んで歩くことが出来ました。

二人で喋りながら歩くのは、私が大好きな瞬間です。

彼の、雨でしっとり濡れた黒髪に、雨雫が滴っていくところがなんとも言えない良さがありましたね。水も滴る良い男ってこういうこと…?と一人で考えていました。


結論、つまりそういうこと。

考えても埒が明かなかったので、そういうことにしておきました。実際問題、私にとっては事実ですから。

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