第203話
「これきりでは終わらないとは?」
レクスは思わず精霊王に聞き返す。
「この大陸は知っての通り亜人の聖地当然獣人、精霊以外にも住んでいるものがいる。今回の魔物の群れはエルフによるものらしい」
「な!エルフは精霊と友好的な関係ではなかったのですか?」
「そうだったんだが、ここしばらく関わりがなかった。ちょうど僕に代替わりしたときからだったかな」
「なぜ関わりが?」
「それが分かんないんだよね。精霊達に聞いても皆知らないみたいだし・・・・・・でも、今回エルフが裏で糸を引いているのは確実だよ。魔物を誘導するなんてエルフにしか出来ないからね」
「・・・・・・魔物を誘導する?」
衝撃的な能力に思わず聞き返す。
「そうか、人間にはそこまで伝わってなかったかな。エルフは森に住み自然を守る種族だと言われている。
この大陸は他に比べて狭い。獣人が半分くらい管理しているけどもう半分はエルフだけで管理している。
獣人の数に対してエルフは約1/3なのに、ね」
「・・・・・・まさか」
「そう、そのまさかだよ。森に住む魔物を誘導して管理しているんだ。精霊も害のない魔物的に見てたんだろうね。だから、関係を切ってこんなことを仕掛けてきたってとこかな」
普段通りの口調ではあるが所々にとげがあるよう感じた。
「そのエルフはまた襲撃してきそうなのか?」
「そうだな~。まあ、ほぼ確実にまたあるだろうね」
「対応はどうするんだ?」
「まあ、まだ1回目だし様子見をするしかないかな。まあ、精霊側から抗議はするけど」
「了解した。仲間が対処に当たっているから終わり次第ここに来るだろう」
「あ、そうそう、言い忘れてたけど他国や他種族の王にどう接すれば良いのか迷っているようだけど、早めに決めた方が良いよ」
図星だったレクスは若干目を見開かせて驚いたが、その表情はすぐに元に戻る。
「ご指摘感謝する」
その答えにサテュロスは微笑んだ。
◆
カイ達は二手に分かれて魔物の対処に当たっていた。
名称こそ魔獣と魔物で違うが、姿形は見たことがあるものしか無かった。
冒険者としての仕事でそれなりと多種多様な魔獣と戦ってきたから対処方法を知っていたため効率的に魔物を倒していくことが出来た。
近くに居るマイにその魔物の対処方法を教えながら倒していく。
周りで戦っている獣人の人達にも教えてあげられたらもっと効率が上がったんだけど、言葉が伝わらないため教えることは出来なかった。
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