第167話祠へ
翌日、になったのか分からないが一睡した後また集まっていた。
そこで場所や行き方の最終確認をし、それぞれ担当の場所に向かい始めた。
◆
レクスとノインは海底を歩いて祠を目指していた。
「護衛と離れて良かったの?」
「ああ、あいつが便利な物を作るからあいつ自身が飾りになっているしな」
便利な物というのはインベントリ内から自動で発動する防御魔方陣。
それがあるため大抵の攻撃はそれで防ぐ事が出来る。こう考えるとカイは自分の仕事を奪うような物を作り、あろうことかそれを渡してしまっているのだ。
通常そんなことをすれば用済みとしてクビにされる可能性すらある。
そうならないのはレクスは王族であるため飾りとはいえ護衛が側にいないと外出することが難しい事。王子の護衛という仕事は普通であればずっと緊張しっぱなしとなる。それをされるとこちらまで緊張してしまうとレクスが考えている事が重なっての結果だ。
他にも王家の財政に余裕があることや友人だからという理由もあるが、これらだけでは雇えないため上の二つが主な理由である。
「そういうもんなんだ」
ノインも緊張感を持っていないようだ。
しかし、護衛としてはお堅い場所にも行くため不向きだとレクスは考えている。
強さで考えるなら申し分ないのだが。
◆
道が合っているのか不安になるくらい歩いたところで祠らしき物を見つけた。近づいていくと違和感に気付く。
突然水の流れが変わったのだ。
まるで祠に吸い込むような水流。それは近づいてきた者を引き込む罠のようにも考えられる。
「油断するなよ」
そうノインに伝えた後流れに身を任せ祠に近づいていった。
ノインもそれに続き進んでいく。
◆
結構広い範囲で引き込む水流があったのか祠の前にたどり着くのには多少時間がかかった。
その祠の入り口には1人が待ち構えている様に立っていた。
「死神様に仇なす者は容赦しない」
その一言と共に二人に向かって飛びかかってくる。
どうやってそう判断したのかは分からないがそれを考える暇はなく、回避する。
地上と違い無茶な回避をしても転ぶことはないが水の抵抗があるため思うように回避出来なかった。
そのためか二人ともスレスレで避けることになる。
「お前達、人間だな?何のようだ?」
攻撃を避けられすれ違ったときに気づいたのだろう。
振り向きそう問う。
「我々はオズジの一人に会いに来た」
レクスが代表してそう言う。
「僕がその一人鰤人族のブマハチだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます