第32話 新たな力

アレクサンダーが最終試練の部屋に足を踏み入れると、アルドラゴンの目が彼を鋭く見据えた。その目には無限の知恵と力が宿っており、まるでアレクサンダーの全てを見透かしているかのようだった。


「アレクサンダー、ここまで来る者は稀だ。だが、私を倒さねばこの城の真の力を手に入れることはできぬ。」アルドラゴンは威厳ある声で告げた。


アレクサンダーは雷電槍を構え、深く息を吸った。「覚悟はできている。どんな試練でも乗り越えてみせる。」


アルドラゴンが咆哮すると、部屋全体が震え上がり、彼の巨大な翼が一斉に広がった。次の瞬間、アルドラゴンは空高く舞い上がり、口から炎を吹き出した。アレクサンダーは素早く動き、雷電槍を握りしめながら回避した。


「雷電槍!」アレクサンダーは叫び、雷電槍を振りかざすと、雷のエネルギーが槍から放たれ、アルドラゴンに向かって一直線に突き進んだ。しかし、アルドラゴンは素早く空中で体をひねり、雷を避けると同時に尾を振り下ろした。


アレクサンダーはその攻撃をかろうじて避け、次の一手を考えた。「精準雷擊!」彼は叫び、雷電槍を再び振り上げた。今度は雷がアルドラゴンの頭上から直撃し、ドラゴンの体を痺れさせた。


「良いぞ、アレクサンダー。その力を見せてみろ!」アルドラゴンはさらに怒りを露わにし、猛攻を仕掛けた。炎のブレスが再び彼に襲いかかるが、アレクサンダーは冷静に回避し続けた。


「雷武器!」アレクサンダーは呪文を唱え、雷電槍にさらに強力な雷属性を付加した。槍は眩い光を放ち、彼の全身に電流が走った。「これで決める!」


アレクサンダーは全力でアルドラゴンに突進し、雷電槍を振り下ろした。槍はアルドラゴンの鱗を貫き、その巨大な体に電撃が走った。アルドラゴンは激しい痛みに咆哮し、その瞬間、アレクサンダーはさらに力を込めた。


「古龍雷槍!」彼は力強く叫び、雷電槍を地面に突き立てた。その瞬間、空から巨大な紅雷槍が降り注ぎ、アルドラゴンを貫いた。雷槍は地面に突き刺さり、周囲に大範囲の雷電を放出した。


アルドラゴンはついに倒れ、巨大な体が地面に崩れ落ちた。その瞬間、部屋全体が静寂に包まれた。


「見事だ、アレクサンダー。」アルドラゴンは最後の力を振り絞って言った。「君は真の力を手にするに相応しい。」


その言葉と共に、アルドラゴンの体は光に包まれ、その力がアレクサンダーに注がれた。彼は新たな力を手に入れ、ついにフォートレス・オブ・エタニティの試練を全てクリアしたのだった。


部屋の奥にある扉が開き、アレクサンダーはその先へと歩を進めた。

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