胃の中でも変われず
雪
口
死んだ魚の目で前を向き、空虚に向かいペンを持つ。
そうやって人類は生きている。
達観した風な自分だって、その魚群の中にいる。
今日も雨に打たれ、袖をみつめ、ひもを結び、扉に現実へと戻されるのだ。
アスファルトの反発に悩まされ気づくと席についている。
黒い顔した君が話しかける。
「」
それにつられ、扉に向かう。
赤、青、黒、今日は三色
寝て起きると
紫、紫、黒
気色が悪い
どこに行っても混じる
今日は白身で明日は赤身
死んだ目の色が混ざり合う
鏡を見るとそこには同じく死んだ目があった。
でも、まぎれもなく色がない。
水道をひねると、鏡よりも似ている何かが垂れている。
似ている君を顔に打ち付ける。
階段を降り部屋を見渡すと、赤っぽい紫と、青っぽい紫がそこにはあった。
「」「」
色が欲しい。
日が落ち始め、木々の間を歩く。
綺麗な青色が何色もそこにあった。
鐘がなり、大半は紫に運ばれていった。
一色だけ青がある。
僕はその青を今日は呑もう。
ドアノブをひねると、今日は赤っぽい紫が黄色交じりのようだった。
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