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ずっと夜のガソリンスタンド。どういう理屈かここでは日が昇らないようだ。電源の供給はとっくに止まっているはずなのに照明はひび割れたコンクリートを緩やかに照らし、信号機は規則的に明滅を繰り返す。道路沿いに街灯がずっと立ち並んでいる。
……よく見たらあれは白熱電球ではないだろうか。街灯も、信号機も、スタンドの照明も。こいつらを一秒光らせるための電気でわたしの一生分の暖房が手に入るだろう。盗電してやろうかと考えたが、電気系統が全く見つからなかった。分電盤が存在したのであろう場所はズタズタに破壊されていた。
燃料タンクも破壊された痕跡があり、中身はほとんど残っていなかった。わたし一人が拝借するには十分な量だったが。
併設された小屋は壁と天井があるし、残り少ないとはいえ燃料もある。数日はここに滞在して身体を休めることにする。
このガソリンスタンドは相当古い。ガソリンスタンドという存在がそもそも古くさい上に、照明が全て白熱電球ときた。建物のカラーリングも現代のセンスではない。歴史には詳しくないが下手したら千年以上昔に建造された可能性もある。
セントラルの超技術はなんのためにこんなよくわからないガソリンスタンドを千年も保存したのだろうか。
暇潰しにリンクライトをいじってみた。応答なし。
kkkkkkのノノノノののが夢に出た。リンクライトを起動してみたが、応答なし。
霧がかかった夜のガソリンスタンドは、感傷に浸るにはちょうどいい。
ここに留まる決断は失敗だったかもしれない。
ずっと夜だから、ずっと寒い。何日経ったのかもわからない。身体と感覚が少しずつズレていくような、危険な香りがする。
目が覚めたらここを発つ。おやすみなさい。
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