第38話 塔への突入

ガウディスの鍛冶技術で強化された武器を手に入れたアルトとシェリルは、新たな仲間ガウディスと共に、目的地である古い塔に向かって進んでいた。塔は霧に包まれ、荘厳で不気味な雰囲気を漂わせていた。


「この塔にはどんな秘密が隠されているのかしら。」シェリルは緊張と興奮が入り混じった表情で言った。


「それを確かめるために、私たちはここに来たんだ。行こう、みんな。」アルトは意を決して前に進んだ。


塔の入り口は巨大な石の扉で閉ざされていた。アルトは扉に手をかけ、力を込めて押し開けた。中には広大なホールが広がっており、古代の魔法の痕跡が残されていた。


「ここはまるで時が止まったかのようだ。」ガウディスは周囲を見回しながら呟いた。


「気をつけて進もう。何が待ち受けているかわからないからな。」アルトは剣を握りしめながら慎重に進んだ。


ホールの中央には大きな円形の祭壇があり、その上には古代の石板が置かれていた。アルトが石板に近づくと、突然石板が光り始め、塔全体が揺れ動いた。


「何だ?」シェリルは驚きと警戒心で弓を構えた。


その時、塔の奥から恐ろしい咆哮が響き渡った。暗闇の中から現れたのは、巨大なドラゴンだった。その体は黒く、目は赤く輝いていた。


「ドラゴン…!これは想定外だ。」ガウディスは驚愕の声を上げた。


「でも、私たちにはガウディスの強化された武器がある。やれるはずだ!」アルトは決意を込めて叫び、ドラゴンに向かって突進した。


シェリルもすかさず矢を放ち、「シュパーン!」という音と共に矢はドラゴンに命中し、爆発的なダメージを与えた。ドラゴンは怒り狂い、火を吹きながら三人に襲いかかった。


ドラゴンの最初の攻撃は、灼熱の炎だった。ドラゴンが口を大きく開き、真っ赤な炎を吐き出すと、周囲の空気が一気に熱くなった。アルトとガウディスは即座に飛び退き、シェリルは高くジャンプして炎を避けた。


「火に気をつけて!この炎に触れたら、ひとたまりもない!」ガウディスが警告した。


ドラゴンは次に巨大な尾を振り回し、塔の柱や壁を粉々に砕きながら攻撃を繰り出した。尾の一撃を受けた床が崩れ落ち、アルトとガウディスは必死にバランスを保ちながら攻撃を避けた。


「このままじゃ危ない!攻撃を集中しよう!」アルトは叫び、ドラゴンの足に向かって突進した。


ドラゴンはさらに、翼を広げて強力な風を起こし、三人を吹き飛ばそうとした。風圧でバランスを崩しながらも、シェリルは矢を放ち続けた。「シュパーン!」「シュパーン!」という音と共に、矢は次々とドラゴンに命中し、その動きを鈍らせた。


「ガウディス、今だ!」アルトは叫び、ガウディスと共にドラゴンの前足を攻撃した。


「わかった!」ガウディスは持っていたハンマーでドラゴンの足を叩きつけ、ドラゴンのバランスを崩させた。


ドラゴンは痛みに咆哮し、再び炎を吐こうとしたが、その隙を突いてシェリルが特別に強化された矢を放った。「シュパーン!」という音と共に、矢はドラゴンの心臓に命中し、爆発的な威力でドラゴンは倒れた。


ドラゴンの咆哮が止み、静寂が訪れた。三人は息を整えながら勝利を噛み締めた。


「やった…!本当にやったんだ!」シェリルは喜びの声を上げた。


「君たちのおかげだ。これで塔の秘密を解き明かすことができる。」アルトは満足げに微笑んだ。


「そうだな、これからが本番だ。」ガウディスも笑顔で答えた。


こうして、三人はドラゴンを倒し、塔の奥へと進んでいった。そこには古代の秘密が眠っており、さらなる冒険が彼らを待ち受けていた。互いの力を信じ、彼らは新たな試練に立ち向かっていくのだった。

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