中世から現代を生きる英雄(ヒーロー)は、色を好む〜Heroは、H(変態)でエロです。Heroineは、Hカップで「エロいね!」です。
ライデン
第1話ヒーロータイム
「とーきは〜まさに〜世紀末〜♪」
鼻歌を歌いながら、ネオン煌めく新宿という名のマッドシティを歩く。
ハイレグの海パンいっちょうにマントを羽織っているだけという服装。おまわりさんに捕まりそうな姿だが……無問題。俺は今宵も食事にありつくべく、絶賛、お仕事中だよ。
(今宵の俺も、俺の筋肉も、若く美しい)
俺の名前は、
(筋肉! そして、テストステロンは全てを解決する!)
2XXX年。8Gという通信規格は世を一変させた。これは脳に埋め込まれた通信チップを介して様々な情報をやりとりしたり、バーチャルリアリティを体験できるものだったのだが……。
脳にチップを埋め込んて、特殊な電波を受信するという試みには、意図しない副作用があった。――人間の欲望を司る部分を肥大化させ欲望を暴走させ、容姿や趣味嗜好まで変えてしまうという副作用が。
(ま。俺は、脳にチップなんか入れてないし。真祖というか、天然物なんだけど)
容姿や趣味嗜好がかわるって、若く美しくありたい人とかだけだったらいいんだけど……変態さん、犯罪者、亜人から怪人から怪獣から幻獣などがたくさん増えたことにより社会は混乱した。
これにどう対処したか?
変質者(“容姿が変わった者”という意味。いや、“性癖が狂っている者”という意味も多分に含むが)の中から性格や社会性が比較的ゆがんでいないものに与えたのである。――ヒーロー免許という免罪符を。
これは、怪人や怪獣の現行犯殺処分権やデットオアアライブで懸賞金を貰えるという特権がある。その他にも、多少奇抜な格好をしてもゆるされる。天下の往来を海パンにマントという格好で歩いてもゆる許されるし、怪人や怪獣を捕縛したり殺処分するためなら、多少周囲を破壊しても許されるのだ。
(俺たちのような真祖…いや、天然物が大手をふって活躍できる、いい時代になったものだ)
そんなことを考えていると……
「きゃあ〜」
どこかから、とても切羽詰まったような女性の悲鳴が聞こえてきた。
(食事の時間だ!)
ジュルリ!と反射的によだれが漏れそうになるのを堪え、俺は舌なめずりした。
……ごほん。いやいや。違う違う!表向きは違う。
「ヒーロー、執行!」
まずは、存分に楽しむとするか。――“ヒーロー”という名の免罪符を。
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