第39話 ~幕間~アビス様視点5
全く、何なんだあの俺様の嫁になる女は!! 俺様の忌まわしき本当の姿まであっさり受け入れるし、瞳の色は変わらんなどと言うし! 俺様が人間の女を口説いてやってるんだぞ、大人しく口説かれていろ!
……いや、別に怖がられたかったわけじゃないんだが……。
とにかく!! あの奇想天外な女にはまだ秘密があるようだが、そんな事は、これから長く続く人生で解き明かせばいい!! 寿命差などいくらでもクリアする術があるのだからな!!
「魔王アビスに一生涯捕まった事を、永遠に後悔するがいい!! 俺様の腕の中でなあ!!! ハーッハッハッハ!!!!」
○
「まおーさま、また一人で変な動きしながらわらってるー」
「しかも下ネタの気配ー、やー!」
「しょーがないよ、結婚するんだしー」
いつものちびっこ三人娘、主の結婚という言葉に、辺りを回ってはしゃぎまわる。
「結婚!」
「結婚結婚!」
「けぇええーっこん!」
三人娘は回転の勢いで持って、近寄りがたい魔王の主人を呼びに飛ぶ。彼女達も今日は、白に黄色、赤、色とりどりの小さなチューリップを逆さまにしたようなドレス姿で、ひらひらと裾が楽しげに揺れている。
「「「まおーさまー、ソフィア様がとっときのおめかししてお待ちですよー」」」
何百年ぶりかの魔界の青空の下。太陽が花婿の黒いタキシードを照らしていた。
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