勤めていた会社が倒産しました

@loveso

第1話 社員寮に住む私の日常

ギーバタン、パタパタ、アハハハ!ガヤガヤ

騒々しい朝を迎える私の住処は社員寮、月額2万円、電気ガス水道無料の破格設定、寮費は月々の給料から天引きされる。

一応タブレットを目覚まし代わりにしているが、始業前がこんな感じなのでほぼ遅刻はしない、というか職場と繋がっているため遅刻したいと思っても起こしに来るからさぼることすら許されない。

そんな私は「今日も仕事か・・・」と若干の胃痛を感じながら布団から這い出て仕事のための準備をする。準備とはいっても、普段のズボンに履き替えて上から会社指定の作業着を着るだけ、朝ごはんを食べるより睡眠時間を優先したい、慣れてしまうと逆に食べることのほうが苦痛になる。

部屋はキッチン、風呂トイレはなく共同でつかう、はじめの寮費は3万円で暫く住んで前の会社で一緒だったOが隣に越してきたときに2万円になったが、5畳程度のトイレ、風呂、キッチン共同ということで少し思うところもあったが住めば都というか、いつの間にか普通に住めてしまう自分がいた。

そんな私は製本という仕事に携わっている、以前は同業他社に勤めていてその話はまた別な機会に書きたいと思うが、その会社で出会ったのがOで、別会社で働いていたのを私が引っ張ってきた。

職場から0距離で仕事を終えたらすぐにシャワーを浴びることができ、時に湯舟に浸かっても、空調を自分の快適な温度で一日つけていても寮費の2万円の天引き以外は何も引かれない結構な優良物件といえなくもない、仕事を終えたらOと食事の用意をしたり、遊びに行ったり、寮生活を満喫していた。会社の同僚には「結婚しちゃえよ」と言われるが男同士だしもちろんその毛もないので誤解はしないでほしい、仕事を除いた毎日の平日はこんな感じだ。

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