第12話強盗の秘密とミウとサヤ


「しかしラムサスって強盗のスキル強すぎるだろ? S級でも良くない? もっとゼノ貰っても良いくらいだ。」


俺はカノンに愚痴った。



「人殺しはしてないみたいよ? だからA級留まりみたい。」


カノンが指を顎に当てながら言う。


「何故それが分かるの?」


カノンにしばらく冷たく当たってる気がしたので、囁くように言った。


最近叱られるからだろうか?

ミウの肩をもつようにしてるからかもしれない。



「名前を封じる玉のスキル使う条件が、殺人を犯さないって条件があるらしいの。」


カノンが続けて説明した。


「さっき引き渡し手続きの時に、役人が話してたのを聞いたの。」


「それなら殺すとか言ってたのは、単なる脅しか…強盗犯らしいな。」


「そうね、そんな条件ある癖にイキリ散らしたのは、笑えるわね。」


あはは、確かに。

俺とカノン、レイナが揃って笑いあった。


人影が見えた。どうやらミウがこちらに近付いて来たようだ。


「ミウ私とパーティ変わって。」

俺たちの前に出てサヤが言った。


「嫌ですぅ〜」


澄ました表情でミウが拒否した。


「なんでよ、いいじゃない。」


両手を腰に当ててサヤが言った。


「宝くじに当たって自分からそれ捨てる人いませんよね? そういうことですん。」


ミウが鼻で笑った。


「どういうことよ?」


眉をひそめてサヤが頬をかく。


「はぁ、運良くこのパーティに入れたのですん。それを自分から捨てる訳ないじゃないですかぁ。」


「つまり嫌ってことね?」



「初めから言いました。ププ〜理解力ないですぅ!」


口に手を当てて彼女が笑う。


「ふん、確かにこのパーティはそうね、宝くじを掴むようなものね。それにしても人を苛々させるのが得意のようね?」


サヤがため息を吐いた。


「カルシウムが足らないのですぅ、牛乳かめざしでも食べて下さい。」


ミウが口をモグモグとジェスチャーをした。


「サヤはどうしてそこまでパーティに入りたいのですぅ?」


俺はカノンとレイナの表情を確認した。

カノンは呆れている。レイナは面白がってる。表情がニヤニヤしていた。


「良く聞いてくれたわね。それを話したら、パーティ抜けてくれる?」



「抜けないですし、興味もないですん。」


「じゃあ聞かないでくれる?」


「教えたら、入れるチャンスなのに、言わないんですかぁ? パーティ入りたいってその程度の気持ちなんですねークスクス。」



「あなた頭悪いの?」


「はい、頭悪いですぅ〜あなたはもっと頭悪いですけどぉ。」


「はぁぁ? 私は頭良いわよ!」


「はい、私はもっと頭良いですぅ。」


「堂々巡りじゃない!」


「ふっ、芸のないやつですん。」


「何がよ! パターン化したのはあなたのせいでしょ!」


「まぁまぁ2人とも落ち着くですぅ。」


「おい! 他人事にすな! 無関係装うなし! 

私と誰に落ち着けって言ってるのよ!」


あなたとアキラに言いましたん。


ズコー! 「おい! 俺引き込まれてるうぅー。思わず転んじまったじゃねーか!」


体が頑丈なので痛みはないが、服は汚れるのだ。


「ふん、あんたがいるパーティなんてこっちから願い下げよ。いいわ、あなたが死んだら入るから。」


俺に一礼して、サヤが俺に視線を移す。



「あは、面白い寝言ですぅ〜思わず笑ってしまいましたぁ!」


「そうね、死んだら笑うわね! ふん!」


「それじゃ、ミウが死んだらってことで。」


俺は話を切り上げようと、2人の間に入った。


「そうね、そうするわ。」


「アキラ〜裏切者ですぅ。そんなのないですん。」


ミウは寂しそうに言った。


「良いから! ここは質屋に行かないとだから、またな、サヤ。」


俺は彼女に上手く別れて、俺は質屋に向かった。


古臭い匂いが辺りにした。質屋は古風な感じがした。


質屋はおっさん一人で営業していた。

裏には、色々な品が薄らと見える。


早速ミウを指差ししてこいつの質に入れたやつ買いに来たと伝えた。


俺はさっさと済ませて、ここを出た。

あまりいたくもないし、誰かに見られたくもなかったからだ。



クラスメイトに揶揄われるのも面倒なので。

ミウが売ったゼノと買ったゼノの差を聞いた。


2倍の差があったと言われた。2倍なら許容範囲だ。4倍なら、おっさんを殴っていたかもしれん。


さて無事に装備を取り戻し、俺たちは村に向かった。

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