第56話 変態姉の妹だけど、どうしようかな
「ふふ~♪」
ダイニングキッチンから姉ぇの鼻唄が聞こえるのどかな土曜日のお昼前。
誠一さんは今日、家の用事があるとかでお留守番しながら、二人で勉強を終えた所だ。
私、初音・
姉ぇが物凄く頑張っていることだ。
私ほどではないとはいえ、確かに姉ぇの学力は上がっている。
家を出るまで中学の英語で怪しい部分があったのに、ちゃんと基礎が出来るようになっているのだ。
それどころか、今の学年の基礎はちゃんと出来ている。
流石に誠一さんの力もあるとは思い……しどーさんの指導と言う言葉が浮かぶ。
置いて置こう。
ちなみに家には姉を見張っていると伝えている。
「女としてもレベルが……」
また、元々、家事万能であったのは確かなのだが、要領がよくなっている。
ウチのより格段良いシステムキッチンなのはあるのだが、それを差し引いてもだ。
「何、妹?
私を見てても、シュークリームしか出ないわよ?」
っと、冷蔵庫の中から取り出してくる甘味。
カウンター越しの視線が読まれたらしい。
差し出されたので、遠慮なく食べる。
食べた後に気づくが、だから太るのではないかと。
そうじゃない。
私は言いたいことがあるのだ。
「家事を手伝おうかなって」
驚いた顔で見られるので、イラッときた。
「別にいいわよ。
あんたに任すと皿割るし、割ったし」
「割らないよ、もう……。
小学生の時じゃないんだから」
「どうだか」
ジーっと姉ぇのことを見つめる。
「そんな目で見ないで見ても料理はもうほぼ出来てるわよ?
……そしたら洗濯物たたむ?
やり方は家で教えた通りだから大丈夫でしょ?」
基本、姉ぇは私に甘い。
「任された!」
っと意気揚々にリビングの反対側へ。
「これは姉ぇの、私の、誠一さんの……」
先ずは誰のかを仕分けし、畳んでいく。
私の着るモノも、姉ぇの部屋に置かせてもらっている。
というか、家の屋根裏にあった姉ぇの服を持ってきて、私も着ているのだ。
だから、分けるのは基本下着だけだ。
「私の勝ち……ふふ」
胸のサイズの話だ。
ブラジャーを比べると姉ぇのサイズより、少しだけ大きい。
腹回りもだけど……悲しくなってきた。
「誠一さん、胸好きだもんね」
最近、思うことだ。
姉ぇのしかり、私のしかり、おっぱいを触りたがる傾向にあるのだ。
私のにうずめる姿は、何というか可愛くて、抱きしめたくなる。
「……まだ
ちなみに処女のままである。
まだ夏休みに入る前、お試し期間が始まってからの日数は短い。
何度か機会はあったが……びっちりと締まった門は、姉ぇ曰く、
「鉄の処女って、それ拷問道具……はぁ。
姉ぇのしているのを横目にとか、欲求不満になる……」
自分でも少しずつ慣らしていてもこれだ。
誠一さんのが大きいのもあるから気にしない方がいいとは姉ぇは言うモノの、自己嫌悪。
私は女として未熟だ。
深くため息をしながら、畳んでいく。
「これ誠一さんのパンツ……」
ふと、手を止める。
「くんくん……えへへ」
洗濯した後だからか、口でしているときのような強いにおいはしない。
けれども、仄かだが誠一さんの匂いがして、嬉しくなり、私の女がムクムクとしてくる。
異常行為だとは思うが、自分でする時のおかずにとメモリーに深く刻み込む。
とはいえ、
「少しぐらいいいよね」
右手を胸に、下に左手を這わそうとし、
「何やってんの、エロ妹」
「あわわわ」
仁王立ちした姉ぇがジト目で見てきていた。
「洗濯ものぐらいマジメにやれと言いたいわね、姉として」
「うう……」
「このスケベ処女ビッチ!」
「うう……」
「まぁ、私もしたことあるから強く言わないけど」
「姉ぇ!」
からかわれていたようだ。
私によく似た姉ぇの顔が笑みになる。
「めんごめんご」
ペロリと可愛く舌を出すのがムカつく。
「そしたら、私とレズプレイしてみる?」
「……」
「なに、その反応。
自分の体を両手で抑えて後ずさりとか、そそるわね。
ゲヒゲヒ」
貞操の危機を感じた反応としては当然だと思う。
そんな私を観て口元から涎を垂らすのは、我が姉ながらヤバい奴だと思う。
「姉ぇ、両方いけたの……?」
「んにゃ?
軽いタッチならともかく、私も女性相手でマジなのは初めてよ?
妹なら、私の体と似てるからいけるだろーなーって」
確かに同じDNAの年子で、妹が眼鏡を外せばたまに双子に間違われる。
「流石に、処女をぶち抜いたりしないから安心しなさいな。
それはしどー君に味わってほしいし」
「姉ぇも大概ヘンタイだよね……ビッチというよりは」
「にゃにをー!」
っと、抱き着いてくる。
すると女性らしい、甘い匂いが鼻腔をくすぐり、フラフラしてくる。
柔らかい女性の感覚も、同性だというのにいけない気分になってくる。
姉ぇの女らしい魅力は正直、スゴい。
「燦ちゃん、太った?
お腹周りフニフニ感が、触り心地良くて」
「……胸も大きくなったもん」
「うぇへへ。
男好きする身体じゃのう……。
ウリウリ」
服の上から胸をムンズと柔らかい手つきで掴まれる。
くすぐったい。
「確かに私のよりずっしり。
柔らかいし、もみごたえがあるわ。
癖になりそう、うぇへへへ」
「……っあ♡
セクハラ親父か何かじゃないんだから、もう姉ぇ」
気持ちよさが増してきて、声が漏れてしまう。
「ふふ、胸の触り方はそこらへんで習ったからね、自分の実体験で。
処女のあんたじゃ、抵抗できないわよ。
ウェへへへ」
「くぅ……♡」
確かに姉ぇの言う通り、体中から力が抜け、委ねてしまいそうになる。
火照りともどかしさを感じてくる。
「何してんだ、初音と燦は……」
名前を呼ばれ、見れば誠一さんが帰ってきていた。
「おかえりー、しどー君。
混ざる?」
「混ざらん。
とりあえず、見回り終わったからお昼御飯にしたいんだが」
「燦ちゃんを料理してて食べごろよ?」
誠一さんの視線が私に向く。
ゴクリと生唾を私が飲み、誠一さんも飲んでいるのが見える。
見つめあってしまい、私の女の部分が出てきそうになる。落ち着け私、午後は予定がある。
「とりあえず、夜に塾が終ってからだ。
このまましたら、明日の朝までだろ?
どうせ底なしの初音のことだ……」
「それについて来れる時点で、絶倫よね、しどー君。
相性ばっちしなんだから、全くもー。
今日もサービスしちゃうわよ」
いつものやり取りだ。
羨ましいと思う。
「私も……します!
出来るだけのことは……!」
不意に叫んでいた。
私だって、誠一さんの彼女と認めて欲しいのだ。
そんな必死な私に誠一さんと姉ぇは顔を見合わせる。
そして誠一さんは笑みになり、
「楽しみにしてる」
そう傍から見たらやはり最低かもしれない言葉だが、私にとっては心躍る言葉をかけてくれた。
ちゃんと、マジメに取り組んでくれているのが改めて感じられたからだ。
なお、その夜も挿入らなかった。
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