第14話 裏切りと友情

香織たちがサラと共に甲賀忍者の屋敷から脱出した後、彼女たちは影の魔導師の遺したものについてさらに調査を進めることにした。忍者の一族との協力体制も整い、次の一手を考えるために再び集まった。


ある日の放課後、香織たちは学校の屋上に集まり、次の行動について話し合っていた。


「影の魔導師が遺したものを完全に封じるためには、まだ何かが足りない。」香織は地図を広げながら言った。


「私たちが見つけた情報では、次の鍵は古代の神殿にあるはずだ。」里奈が指し示した。


「でも、その神殿は深い森の中にあるって聞いたわ。」葵が付け加えた。


「大丈夫、私たちならきっと見つけられるわ。」麗奈が自信満々に言った。


その時、サラがふと思い立ち、話を切り出した。「でも、私たちが見つけた情報が本当に正しいかどうか、確認しなければならないわ。」


「どういうこと?」香織が尋ねた。


「実は…私の中にはまだ影の魔導師の影響が残っているかもしれないの。」サラは苦しそうに言った。


「そんな…それじゃ、あなたは裏切り者だったの?」果耶が驚きの声を上げた。


「違う!私は裏切りたくない。でも、影の魔導師の力が私の中でまだ動いているかもしれないの。」サラは涙を浮かべながら答えた。


「サラ…」香織は優しく彼女の肩に手を置いた。「大丈夫、私たちはあなたを信じるわ。」


「ありがとう、香織。でも、もし私が影の魔導師の影響を受けているなら、あなたたちに危害を加えるかもしれない。」サラは震える声で言った。


その時、忍者の一族が現れた。「心配はいらない。我々がサラの状態を確認し、影の魔導師の力を封じる手助けをする。」


「ありがとうございます。」香織は深く頭を下げた。


「私たちも協力するわ。」里奈と葵が声を揃えた。


その夜、香織たちは忍者の一族の指導の下でサラの状態を確認するための儀式を行った。儀式の中で、サラの中に潜む影の魔導師の力が徐々に明らかになっていった。


「見える…影の魔導師の力が確かに存在している。」里奈が呟いた。


「でも、大丈夫。私たちがこの力を封じる。」葵が力強く言った。


忍法・大ガマガエルの術を駆使し、サラの中に潜む闇を封じ込めるための儀式が進行した。サラは苦しみながらも、仲間たちの力を信じて耐え抜いた。


しかし、突如として儀式の中でサラの体が激しく揺れ始めた。「何かが違う…!」サラは叫んだ。


「これは…まずい!」香織が焦った声を上げた。


サラの体から黒い煙が立ち上り、彼女の姿が徐々に変わり始めた。影の魔導師の力が暴走し、サラは巨大なサラマンダーへと変身していった。


「サラ…!」果耶が驚愕の声を上げた。


「影の魔導師の力が彼女を変えてしまった…!」麗奈が絶望的な声で言った。


「仕方ない、戦うしかない!」香織は決意を固めた。


「私たちがサラを救うために!」セレナが叫び、魔法の準備を始めた。


サラマンダーに変身したサラは、炎を噴き出しながら暴れ始めた。香織たちはサラを止めるために全力で戦うことを決意した。


「みんな、行くわよ!」香織が叫び、攻撃を開始した。


麗奈はバズーカを構え、巨大なエネルギー弾を発射した。「これでどうだ!」


里奈と葵は忍術を駆使してサラマンダーの攻撃をかわしつつ、反撃の隙を狙った。「忍法・水遁の術!」


セレナは光の結界を張り、仲間たちを守りながらサラマンダーに立ち向かった。「私も頑張るデス!」


激しい戦いの中、香織たちはサラマンダーの弱点を見つけるために戦術を練り直した。「彼女を傷つけずに元に戻す方法を探さなきゃ!」


「分かった、みんな、慎重に行動しよう!」果耶が呼びかけた。


最終的に、香織たちはサラマンダーの暴走を止めるために力を合わせ、影の魔導師の力を封じ込めることに成功した。しかし、その代償は大きかった。


サラは再び人間の姿に戻ったが、彼女の体力は限界に達していた。


「サラ、大丈夫?」香織が駆け寄った。


「もう…無理みたい…」サラは弱々しく微笑んだ。「みんな、本当にありがとう…」


「そんな、サラ…まだ一緒に戦おうって言ったじゃない…!」果耶は涙を浮かべた。


「私も…あなたたちともっと一緒にいたかった。でも…もう、これで終わりなの…」サラはゆっくりと目を閉じた。


「サラ…!」麗奈が叫んだ。


「ありがとう…みんな…」サラは最後の力を振り絞って言葉を紡ぎ、静かに息を引き取った。


「サラ…」香織たちは涙を流しながら、彼女の犠牲を胸に刻んだ。


こうして、香織たちはサラを正式な仲間として迎え入れた後、彼女の犠牲を無駄にしないために、再び影の魔導師の遺したものに立ち向かう決意を固めた。友情と絆が深まり、彼女たちの冒険はさらに続いていく。


### 次回予告

次回、第15話「組織の陰謀」では、香織たちは影の魔導師の遺したものについてさらに深く調査し、組織の陰謀を暴くことに挑みます。新たな敵と対峙し、さらなる試練が待ち受けています。次回もお楽しみに!


香織:「サラのためにも、次の試練を乗り越えなきゃ…」

果耶:「サラ、ありがとう。絶対に無駄にはしないよ。」

麗奈:「彼女の犠牲を無駄にしないために、全力で戦うわ。」

セレナ:「サラのこと、絶対に忘れないデス…」

ゆい:「私のアシスタントどうするの?」

里奈:「サラの意志を継いで、頑張ろう。」

葵:「忍術でサポートするわ。」

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