第599話 バレたら多分刺される
……まぁ、一応ね?
神様に聞いてあげたわけですよ。
スマホとか、タブレットを持たせてもいいですか? って。
――返答? そりゃあもう……。
(何故いいと思うんじゃ?)
とね。
俺が聞いた……聞いたというか脳内に響いた、だな。
これまでで一番低い声が脳内に響きました。
こう、音の高低とかの低さじゃなく、温度と言うか……。
びっくりするくらい冷たい声でした。
あの、冗談とか一切通じないんだなって分かる瞬間の声。
「まぁ……無理か」
「分かってはいましたけれどね」
「むしろ、この場所のもので持ち帰れる物の方が稀有?」
「食品関係であれば大体……」
なお、過去の事例。
多分だけど、今の異世界ではどうあっても再現出来ないものは持ち帰れないようになってるんじゃないかな。
知らんけど。
「よし、持ち帰りだが……」
「とろろ汁と付け合わせ各種、でどうでしょう?」
「もちろん、喜んで受け取ろう」
持ち帰り商品の受け渡しも終わり、魔法陣に姿が消えるのを見送って……。
「ゴー君、ワインの熟成って終わってる?」
「ンゴッ!!」
神様から頼まれてた熟成後のワインを回収。
「一口貰っていいんですよね?」
(構わんが一旦わしの所に返してもらおう。その後、一口分を送るとしよう)
ふむ、まぁ飲めるならいいや。
えーっと……ワインを並べて、二礼二拍手一礼っと。
瞬間消えたワインを確認し、ワイングラスを用意。
おつまみ何にしようかな……。
よし、買って来よう。
「神様、おつまみを買って来ますけど何か希望はあります?」
(うーむ……ガッツリ系の肉を頼めるなら。無理であればチーズが良いのぅ)
承りました。
と言う事で食後の運動がてら、コンビニへ。
*
雨が降って来るとは聞いてない。
行きはよいよい帰りはずぶ濡れ。
食後に走ったせいでわき腹が痛い……。
俺が何をしたって言うんだ……
(買って来たか?)
もちろん。
と言う訳で神様用に買って来た金のパッケージのハンバーグ。
袋のままレンジに入れて、温めまして……。
その間に俺のツマミの準備。
生ハムとチーズ、これさえあれば大体のワインに合うでしょう。
ちなみにチーズは二種類用意し、片方はプロセスチーズ、もう片方はスモークチーズにござい。
温め終わったハンバーグを火傷に注意しつつ取り出して。
ワインの時と同じく二礼二拍手一礼。
ハンバーグが消えたのと同時に、グラスに赤ワインが出現。
……マジの一口じゃん。
具体的には年始の格付け番組のワインの時くらいの量。
神様のけちんぼ。
(まだまだ銘柄があるからのぅ。それくらいでなければカケルは酔って最後まで味わえんぞい?)
グギギ……言い返せねぇ。
まぁ、いいか。それじゃあ、異世界赤ワイン……いただきます!
まずは香り……。
「ぜんっぜんブドウっぽくないな。なんだろ……プルーンとか?」
ソムリエの資格とか持ってるはず無いし、お酒弱いからワインに慣れているわけでもない。
それを踏まえて聞いて欲しいんだけど、果実の香りではあるんだけど、俺の知ってるような匂いじゃないんだよな。
唯一近いかも? くらいの認識がプルーンだった感じ。
「バターみたいな香りもするかも……」
グラスを回すと香りが立つって言うし、やってみて嗅いだら一瞬香ばしいような香りがしたような……。
多分気のせいだな。
「味の方は……」
で、本当に舌に乗せる分程度の量のワインを口に含んだら……。
「結構ピリピリしますね。スパイスっぽさが凄い」
香りとは裏腹に、胡椒みたいなニュアンスがある。
チリチリとした刺激と、結構きつめの渋味。
こりゃあハンバーグが合うだろうなってワイン。
「チーズとも合うな……」
ワインを飲み込んだ後にチーズを追いかけさせたけど、口に残る香りが結構チーズにマッチしててさ。
渋味も、チーズの脂肪分が相殺してくれて。
渋味の奥に隠れてた旨味が、ゆっくりと口の中に広がっていく感じ。
飲みやすくはない。確実に。
ただ、合わせる料理をしっかり合わせたら、何人かはドはまりするんじゃないかな、このワイン。
ビーフシチューとか、ワインの渋さに負けない肉料理が抜群に合うと思うわ。
(続いて白じゃな)
グラスを水で流し、水分を拭き取り。
ついでに口を水でゆすいでリフレッシュ。
白ワイン、かかってこんかい。
「……めちゃめちゃスッキリした匂いがする」
で、またまた香りから。
ただ、この白ワインに関しては果汁感とか一切無かったな。
かき氷シロップのブルーハワイ。
あの匂いが一番近い。
もちろん、あそこまで甘さを感じる匂いではないけれども。
「いただきます」
で、また舌に乗せまして……。
すっごい香ばしい香りがするな。
あと、バターみたいなニュアンスがある。
今度は飲みこむ前にチーズを迎え入れて合わせてみませう。
「うま」
合う。
凄く合う。
とても合う。
さっきの赤ワインとは対照的に、香ばしく、軽くて飲みやすい。
酸味も控えめで甘みが少し。
それらが絶妙にチーズの脂肪分とマッチする。
アルコール度数もさっきの赤ワインより低いんじゃないかな?
これなら結構すぐに飲み干しちゃう気がする。
(この白は肉とも合うんじゃよ)
あー、分かる気がする。
肉の脂を香ばしい香りと爽やかな酸味が受け止めてくれそう。
肉と反対に軽い口当たりってのも相性が良さそうな一因。
異世界ワイン、美味しいじゃないですか。
(特異ゴーレムの熟成のおかげじゃがな)
……神様まで持って行こうとしたりしませんよね?
(するわけない。もう作ったしの)
……ハイ?
(神様じゃぞ? そう言う独自進化した個体が可能となれば、自由に作れるわい)
……ゴー君。
知らない間に家族が出来たっぽいよ?
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