第501話 苦労してそうだな……
本場イタリアのピッツァで大事なのって裏面なんだってね。
なんでも、焦げが均一に入ってないと美しくないとか。
……うん、一般人にはなんのこっちゃな訳です。
ちなみに本場イタリアでピッツァの選手権? みたいなのは日本人が優勝経験あるとかなんとか。
超えるな、気軽に。
現地を。
「焼けたぞ」
「めっちゃ美味そう」
前のピザの時もそうだったけど、意外と焼きたてのピザって食べる機会少ないよな。
もちろん、ピザレストランとかに行けばあるんだろうけど。
基本的にピザを食べるのって宅配ピザが主だし。
宅配ピザを焼きたてと評するのは、流石に違うよね?
「生地はもっちりしっとり、乗ってる具材は最高の宝石蟹達」
「ワインが欲しくなるところですけれど、この間頂いたばかりですし」
「何より、元の世界に戻ればバハムートの血を垂らして量産が可能」
「泣く泣く我慢するとするわい」
それぞれ自分が作ったピザを取り出し、切ったり畳んだりして即座に一口。
「最高おぶ最高」
「生地と具のバランスが素晴らし過ぎる。噛むとジュワッと溢れる肉汁がたまらん」
「オリーブオイルに溶かしたラピスラズリ個体のソースがヤバ過ぎるぞい」
「こうして好きなように作って食べるピザも最高ですわね」
焼きたて特有の伸び~るチーズに苦戦しつつ、俺も一口。
うん、知ってた。
バカうめぇや。
ま~じで幸せ。
美味しいとか、もっと食べたいとかよりも幸福感が勝る。
口一杯に蟹を頬張る事でいろんな悩みが吹き飛んじゃうね。
あまり悩んでないけど。
「ガブロのを一口くれ」
「自分で作った方がよいぞい」
「それもそうか」
いいよな、一杯食えるあんたらは。
……あ、そうだ。
「ピザと言ったらコーラでした」
忘れてました。
ピザと合わせる飲み物はこれかビールかワイン位なもんだ。
と言う訳で注ぎまして。
「炭酸か」
「結構強めですわね?」
買って来たのはゼロカロリーコーラです。
普通のコーラよりこっちの方が好き。
何となく炭酸もこっちの方が強い気がするし。
「なるほど! 炭酸でチーズの油っぽさを洗い流すのか!」
「独特の風味ですけれど癖になりますわね、これ」
「俺はあまり好きじゃないかもしれない……」
「なんじゃろうな、どことなく薬草っぽい匂いがするぞい」
あー……。
某石世界漫画でコーラの作り方が軽く載ってたな。
パクチーとはちみつでコーラの香りを再現したんだっけか。
パクチーダメだもんな、マジャリスさん。
この世界で一番消費されているであろう炭酸飲料を飲めないとは、おいたわしや。
「そんなあなたに四矢サイダー」
「これは?」
「透明……ですわね」
日本で有名な炭酸飲料の中でも最上位に君臨する飲み物です。
同列にフォンタがあります。
「む、スッキリとした甘さと炭酸だな」
「こちらの方が好きかもしれませんわ」
「わしは黒い方が好きじゃぞ?」
「私も黒だ」
サイダーの方にマジャリスさんとリリウムさん。
コーラにラベンドラさんとガブロさんが寄って来た。
どっちの水も甘いぞ~。
「次を焼いておかないと食べきってしまうぞ?」
「私はガブロのが食べたいですわ」
「俺もガブロのを」
「なんじゃみんなしてわしのを真似しおって。……カケルのハーフ&ハーフがよいぞ」
「ガブロさんも真似してるじゃないですか」
ちなみにホワイトソースはクリーミィで蟹身と相性がよく、特にラピスラズリ個体との相性が良かった。
トマトソースはガーリックが聞いてて、トパーズ個体やオパール個体のようなあっさり目の身と相性抜群。
アメジストやダイヤモンド個体は特にソースを選ばずに美味かったな。
ちなみに俺は最初の宣言通り一枚でギブ。
というか、むしろ結構頑張った方。
お店で売ってるMサイズピザより大きかったからね、渡されたピザ生地。
頑張って食べた自分を褒めたい。
宝石蟹が美味しかったからほぼ手が止まらなかったけど。
「そう言えば、異世界でこの油と同じ特性を持つ油を抽出出来る宝石を手に入れた」
「あー……フローラパールですっけ?」
神様からのお告げでみんなに伝えたんだよな。
結構手に入るの早かったね。そんな大変じゃないのかな?
「数回潜らせたが成果は一つだけだった」
「以外と根性無かったですわね、『無頼』は」
「……肉体強化の魔法を受けているとはいえ、流石に深度千以上で三十分も活動すればバテる」
「しかも休憩五分とかじゃったろ? 殴られても文句言えんかったと思うぞい……」
……鬼かな? あ、エルフか。
翻訳されてるからこっちの世界の基準に合ってるはずで、魔法で強化したら人間って深度千で活動できる?
不可能では?
水圧に潰されて死ぬだろ。
なのに三十分も活動させたの? もう一回言っとこ、鬼かな?
「殴りたいと言ってはいたが、身体が動いて無かったな」
「……酷使し過ぎでは?」
「フローラパールを見つけてこない方が悪いんですわ」
「いや、流石に『無頼』に同情するぞ……」
なんだろう、リリウムさんの『無頼』さんに対する態度が酷い。
……今に始まった事じゃないか。そう思う事にしよう、ヨシ。
「よし、二枚目も焼けたぞ」
「ひゃっほう! 蟹かに蟹!!」
「じゃあ俺はデザートの準備をしてきますね」
「頼む」
と言って台所に戻り、チョコフォンデュの準備を進める。
まぁ、進めると言っても具材切ってピックに刺すだけなんだけど。
……あと、内心ワクワクしてる。
家でやっちゃうんだよ? チョコフォンデュ。
楽しみだなぁ……。
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