第466話 隠し味クイズ
翔の簡単クッキング。
まず解呪したバハムート肉を用意します。
無ければ牛肉で構いません。
次に、よく分からない異世界の魚卵を希釈したカレースープを用意します。
無ければお好みのカレールゥで作ってください。
それらを混ぜ合わせて完成です。簡単でしょう?
冗談はさておいてっと。
「希釈済みのカレーソースを貰ったはいいけど、これに何を入れてやろうか……」
魚卵を丸ごと貰ったところで、千倍希釈だの二千倍希釈だのやってられん。
と言う事で既に希釈されたカレー魚卵をお鍋に貰い、それをアレンジしていこうっていう方針。
ただなぁ……カレーってマジで何入れてもある程度食えるからなぁ……。
プリンとかにしなきゃ大丈夫だよな、カレー。
某黄金伝説で見たけど、あれはちょっと食べたいと思えない代物だった。
「とりあえず電子レンジで加熱したバハムートは入れるとして……」
ビーフシチューに入れても美味しかったからね、バハムート。
まずはマスト。
あとは……。
「まぁ、定番のやつらを入れていくか」
焼き肉のタレ、コーヒー牛乳、ケチャップ、ヨーグルト。
思いついた隠し味を入れ、一旦味見。
「……んー? なんだろ、なんかもうちょっと物足りない気がする……」
日本のカレールゥで作ったカレーと比べて、何と言うか……こう、平べったい味と言うか。
奥行きが無いんだよな。何入れたら改善するだろう……。
とりあえずチョコレートを入れて……。
マヨネーズもいっときますか。
マヨネーズは溶け残っちゃうから少しずつね。
これでどうだ?
「おー……。マシにはなったな。ただ、酸味が目立っちゃう」
さっきみたいな平たい感じは和らいだけど、今度はマヨやケチャップ由来の酸味が目立つ。
じゃけん蜂蜜も加えましょうねぇ~。
あ、パテとか加えても美味いだろうな。
バハムートとバターと生クリームなわけだし。
と言う訳で投入し、混ぜ合わせて味見……。
「うむ、合格!」
これくらいで勘弁してやろう。
にしても、久しぶりに出汁の効いてないカレーを作った気がする。
大体俺が作る時はお鍋の素を土台に作ってたし。
たまにはこっちも悪くないもんだ。
「さて……」
実は今日、美味しそうなデザートを発見したんですよ。
んでね? あくまで美味しそうだったわけなので、そこを確定させるためにお一つ先んじて食べてみたんですけれど……。
もうね、さいっこうに美味しかった。
びっくりした。
まぁ、見つけたのは回転寿司店なんですけどね。
なんで回転寿司屋でデザートに驚いてるんだっていう……。
いや、元々は動画投稿者とコラボしたお寿司を食べに行ったわけですよ。
でも、そこで食べたどんな寿司よりデザートが美味しかったです、はい。
と言う訳で、そのデザートを四人に振る舞う為に、似たようなものが売っているお店を探しましてですね……。
買ってまいりました。
注文の時に大きいサイズで……とお願いしたら、通常のプリンカップサイズじゃなく、二回り位デカいカップで作ってくれてた。
お店の方、マジで感謝。
このサイズならあの四人も納得するでしょう。
「……やる事無くなったな」
カレーは完成、デザートは買って来て冷凍庫の中。
他にやる事と言ったら……。
「動画でも見よ」
位なもんだなぁ。
……お、推しの投稿者が投稿してんじゃ~ん。
見ます見ます~。
*
「カレーは世界を救う!!」
……魔法陣から出てきて早々何を言っていらっしゃるのやら。
でもまぁ、カレーは飲み物よりは信ぴょう性ある言葉なんじゃないか?
「無視でいいですわ」
「後ろがつかえとるんじゃ、さっさと進まんか」
「っ!? 甘くて美味しいものセンサーが反応した! 今日のデザートは美味いぞ!?」
どんなセンサーだ。
あれか? 妖怪アンテナみたいな感じなのか?
あるいは食指。
「お前も何を言うとるんじゃ」
「近くに甘いものがあるとこうなりますの」
今までなってなかったじゃないですかやだー。
「それで? 今日のメニューは?」
「カレーです」
「だろうな」
「匂いがもうカレーでしたものね」
「これでラーメンなどと言われても困惑しますわ」
「……ありますけどね、カレーラーメン」
「あるんか……」
あるんですよ。
でもまぁ、俺はカレーにはやっぱりお米派ですね。
それも日本の米。
あの粘り気と甘みがあってこそ、カレーとの相性がいいんですわ。
「気になるな、カレーラーメン」
「今度作りますよ」
「楽しみじゃわい」
……むしろ、異世界側で作って流行らせた方がいいんじゃない?
ラーメン、恐らくだけどまだ異世界では広まってないでしょ?
「……ラーメンをそちらの世界で広めたりは?」
「手を焼いている」
「広めようとはしているのですけれど、麺と言えばパスタなこちらの世界ではラーメンを受け入れるにはまだ遠くて……」
「大会の題目にしちゃうとか?」
「……悪魔か?」
失礼な、人の子ですよ。
何故か異世界のエルフやドワーフに食事を振る舞ったり、異世界の神様にワインを供えてたりしますけど。
(人の子か?)
人の子です。
人の子と自認してます。
「麺の確保が必須だが……」
「いつも通り国王様を巻き込んじゃいましょうよ。いくつかのスープの種類のラーメンを食べて貰って、これだけ多様性があると説明したらいけません?」
「……いけるだろうな」
「ちゅーかわし、一番最初に食べたのカレーラーメンじゃったな」
「今思い出したんですか……」
「確かに面白そうだが……例えばカケル、ラーメンのスープはどれくらいある?」
どれくらいある……か。
「大雑把に分けると醤油、味噌、塩、豚骨ですけど、魚介出汁や鶏ガラ、担々麺とかも加えると一気に増えます」
それこそ、日本に何種類の味のスープがあると思ってるんだって話。
つまり、味の広がりは間違いないってわけだ。
「……やるべきですわね」
「だな。やって得しかない」
「いくつかスープのサンプルが欲しい所だ。――だが」
「だが?」
「まずは飯にしたい。腹が減った」
部屋中カレーの匂いが充満してますもんね。
今よそいますね~。
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