救いか呪いか
萌葱
横取り
「やだやだ!これがいいのぉ!」
あーぁ…また始まった。私の妹は両親に可愛がられているから、駄々をこねれば貰えると思っている。まだ小学校低学年だから全身鏡を使うこともほとんどないと思うのに。よりによって私が高校に入学したお祝いに貰った白い全身鏡を。私だって大切にしてるのに…。
「そういうわけだから譲ってやって。おばあちゃんから貰った三面鏡じゃ嫌なんですって」
ほんとに甘いわ。その三面鏡だって全身鏡が欲しいって駄々こねたからおばあちゃんがくれたものでしょう…。
「これは私にってお祝いで貰ったものだからだめ」
「やだやだやだやだ!これがいいの!」
「お姉ちゃんなんだから譲りなさい!」
あー…お姉ちゃんだから、ねぇ。
「もういいよ、勝手にして。学校遅れるから。」
私はもう諦めて学校に行くことにした。どうせ足掻いても鏡が残ることはないだろうし。はぁ…
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