誘惑だらけのニンフちゃん2。(憂鬱はゴミ箱からやってくる)

猫野 尻尾

第1話:異世界からこんにちは。

この作品は「誘惑だらけのニンフちゃん。(精霊は憂鬱をつれてやってくる)

のスピンオフ的作品です」

https://kakuyomu.jp/my/works/16817330667907786101


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月夜の夜、裏通りの地区の共同ゴミ箱から、ひとりの女の子が異世界から

やって来た。

そのゴミ箱は、どうやら異世界と繋がってるらしい。


なんでも数ヶ月前、ベンジャミンと名乗るサティロス「山羊」が異世界から、

そのゴミ箱を異次元トンネルにして誰かを訪ねて人間界にやって来たらしい。

でも、ゴミ箱のトンネルの出口を中途半端に封印したもんだから、そこから

怪しいやつらがやってき人間社会に溶け込んで普通に街を徘徊していた。


で、女の子も同じくベンジャミンが作ったその異次元トンネルを通って

人間界にやって来たってわけ。


その子の正体は精霊ニンフ。

そして名前を「ジーンノーマ」って言う。


ニンフってのは伝承によるとギリシア神話などに登場する下級女神「精霊」

らしくて、 山や川、森や谷に住み、それらを日々守っている。

神のように完全な不老不死ではないが不老長寿である。


ニンフは性に特化した精霊であって神や人間の男とセックスをして精力や

精液を体内に吸収して生きている。

だから男性とセックスしないと干からびて死んでしまうらしい。

だからセックスに依存症してるって言えるかもしれない。


そしてニンフは基本的に裸・・・服を着るって概念は持っていない。

だから今、ゴミ箱から出てこようとしてるニンフ、ジーンも当然すっぽんぽん

で何も身にまとってない。


ジーンはゴミ箱の蓋を開けてはじめての人間界に出来ようとしていた。


さて、坂下 健斗さかした けんとは友人に誘われて久々に居酒屋で酒を飲んで陽気に歌なんか

歌いながら自分のアパートに続く裏通りを歩いていた、


「完璧で〜嘘つきな〜ヒック・・・君は〜ゲブッ・・・う〜天才的な〜っと・・・」


で、自分のアパートの近くまで帰って来た健斗は地区の共同ゴミ箱の前まで

来た時、ゴミ箱からゴトゴト音がしたので立ち止まった。


「ふん・・・こんな夜に・・・また野良猫が餌でもあさってるのか?」


そしたら、じわ〜っとゴミ箱の蓋を持ち上げて、中から誰かが顔だけ出した。

夢でも幻でもなくましてや猫でもなく・・・人の顔だ・・・。


「あ〜ん・・・なに?・・・女?」

「あ〜はは、飲み過ぎたかな」


ゴミ箱の蓋を開けて顔を出した人物が月明かりで少し薄明るく浮かび上がった。


「おう〜やっぱりおネエちゃんだ」

「いやいや訳ないよな・・・おネエちゃんがゴミ箱から出てくるはずないもん」

「・・・・・・・」

「ん〜でも、たしかに見えるよな・・・ぼわ〜って」


キミが悪いって言うより酒が入ってるもんだから気持ちが大きくなってる健斗。

好奇心のほうが勝っていた。

だから恐る恐る、その子に近ずいて声をかけてみた。


「あの・・・そこのおネエちゃん・・・だよね・・・ゴミ箱の中でなにしてん

の?こんな夜に・・・」


シラフなら、ゴミ箱の中の変な女に声なんかかけずにさっさとアパートに帰る

ところなんだけどね。


健斗はその人に顔を近ずけてよく確かめてみた。


「おお〜・・・すげえべっぴん、ってかどっちかって言うと可愛い系?」

「彼女のいない俺のために神様がゴミ箱から女の子を贈ってくれたのかな?」

「じゃ〜連れて帰っていいってことだよな?」


酔っ払ってるから好きなことを言っている。


健斗に図々しく品定めされた女の子がしゃべった。


「あの、外に出たいんですけど?いいでしょうか?」


「俺に聞いてる?」


「あなたと私以外、他に誰もいないようですけど・・・」

「ところであなた誰?」


つづく。

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