第4話

「まず私の友達に興味がないか聞いてみるっす」

「ああたすかる。でもまだ入学したばかりだからたくさん誘えるわけじゃないだろ?」

「そうっすね~まあクラスラインできいてみるっす」

「うわ~さすが陽キャって感じがする。俺なんてクラスラインで発言なんて想像するだけで寒気がする」

「このくらいでですか?もっとがんばってくださいよ」

「あとは朝の放送で宣伝できないか聞いてみます。放送部の友達がいるので」

「わかった。ちなみにやるとなったらこはねが頼むぞ。俺は絶対に無理だからな!放送とか」

「いやそこは部長である先輩がやらないとダメっすよ。なんでさぼり部員がやるんすか」

「さぼり部員の自覚あるんだ。とにかく俺は小学校の時のトラウマから抜け出せてないの!」

「この機会に克服しましょうよ!簡単なことですから!朝の放送でちょちょっと面白いジョークを交えながら科学部の紹介をするだけっすよ!」

「めちゃくちゃハードル高ぇじゃねえか。ジョークとか滑ったらどうすんだよ」

「私が笑ってあげるっすよ」

「俺死ぬぞ!?」

「あとはポスターっすねえ」

「ああ。やっぱ俺が作ったやつじゃだめか」

「先輩。まずこれ活動場所書いてないじゃないっすか。こんなんじゃ入りたくても入れませんよ」

「まじか!忘れてた。かっこいい用語に惑わされてしまった。」

「とにかくポスターを早く直さないといけないっす。でも明日から土日っすよね?」

「うん。え、もしかして」

「明日集まってポスター作りましょう!」

「え!?」

「こんなかわいい後輩と休日に会えるなんて感謝してくださいよ~」

「自分でいうな!」

「そんなこといって~ うれしいくせに」

「……そんなことないわ」

「じゃあ今の間はなんすか?」


 こはねが可愛い顔でからかってくる。

 正直こはねと休日に遊べるのはうれしいし、楽しみだ。

 でもそれをからかわれるのはくやしい!

 俺はこはねにからかわれるまま反撃することはできなかった。

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