痛い道歩く醍醐味きみ知るかたわごと言ったあいつどうしてる

痛い道 歩く醍醐味だいごみ きみ知るか たわごと言った あいつどうしてる


「絶対にそっちの道に行ってはならない」と心から忠告しても、「危険な道がいいんだ」とそちらに進んでしまう人がいますよね。そういう人のことを、今はどうしているのかなと思って詠んだ一首です。


 


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ここからは、どうしてそういう歌を詠んだのか。そんなどうでもいいことを知りたいと思ってくださる方がいますので、その方のために書きますね。


歌の中の「あいつ」とはトラブルメーカーだったロシア人ダンサー、セルゲイ・ポルーニンのことです。


私は前にジンスキーという天才ダンサーのことを書いたことがあるのですが、その時、彼によく似ている若いダンサーの存在を知りました。

それが、セルゲイ・ポルーニン。彼もウクライナの出身で、ロシア人。1989年生まれですから、ニジンスキーのちょうど百年後に生まれた人で、2024年の現在34歳です。


セルゲイ一家は貧乏でしたが、幼少の時からバレエを習い、その費用のために祖母はギリシャに父親はポルトガルに出稼ぎに行きました。

彼はで英国ロイヤルバレエ団に合格、19歳で英ロイヤルバレエ団の史上最年少でプリンシパルになりました。でも、両親の離婚もあり、方向を見失い、薬や酒をやっていたのですが、22歳で突然退団。

「生まれて初めて自由になれた」と裸で雪の上に寝転ぶドキュメンタリーを見たことがあります。

その時、彼はアメリカに行きたかったのですが、この「Bad Boy」を引き取ってくれるところがなくて、結局ロシアに行くことになります。


最初はタレントショーに出たのですが、バレエ団から誘われて、ロシアで踊っていました。けれど、数年経つとまたダンスに飽きてしまい、大事な公演を前に逃げ出します。もともと母親に強制されて踊っていただけで、踊って楽しいと思ったことは一度もないと本人が語っていました。


そして、26歳の時、「これが最後のダンス。あとは普通の人生を行きたい」と「Take me to the Church」というダンス動画を作りました。

あなたが思う普通の生活って、なに?

どうして生活していくのかしらと私は思いました。


彼は身体中に入れ墨をして、上腕にはプーチンの顔を掘り、目の横にもハート型の入れ墨をしています。そんなこと、しなければよいのにと思うのですが・・・・・・。

インタビューで、「悪いことは、おもしろいんだ」と言っていました。

彼のジャンプは高さも幅も驚異的で、容姿も美しい。こんなに才能もチャンスにも恵まれた人なのに、落ちてかねばならない人っているですよね。

そんな彼のこと思ってを詠ったのが、上の短歌です。



彼のことをしばらくぶりにググってみたら、あの動画には世界中から反響があり、何百万の人々が観たのだそうです。

そして、彼はエレーナというベアダンスで金メダルのスケーターの女性と結婚して、すでに子供が3人もいて、顔からあのピリピリ感が消えて、幸せそうです。

エレーナのインスタグラムを見て付き合いが始まったそうですが、子供を愛し、妻への感謝をよく口にし、「自分はステージで踊るのが一番好きだ」と言っていました。

セルゲイの入れ墨は消えてはいませんが、もうBad Boyではなく、バレエを目指す子供たちを支援するために、ふたつの財団を作っているそうです。人って、こんなに変わるものなのですね。

これって、エレーナの力が大きいのでしょうか。


近況ノートにセルゲイのジャンプの写真を載せておきます。

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