第 伍拾壱 話:鬼神は行く

 織田連合軍が日ノ本を発ってから約二ヶ月、スチームスクリュー式汽帆船からなる大水軍艦隊は途中で財政難から薩摩領となった琉球王国現在の沖縄県で秘密航路で来た同じスチームスクリュー式汽帆船からなるイギリス及びオランダの連合艦隊と合流、共に太平洋を南下しインドシナ半島の日本町所在地へ到着した。


 そして織田連合軍はイギリス軍とオランダ軍、そしてカスティーリャ=アラゴン連合王国が植民地としているカリマンタン島と大小スンダ列島の先住民達と共にカスティーリャ=アラゴン軍の要塞を次々と攻略、さらに各海域でもガレオン船を中心としたカスティーリャ=アラゴン艦隊を破り東南アジアからカスティーリャ=アラゴンの支配を駆逐した。


 東南アジアの攻略を終えた織田連合軍は補給を整え、カスティーリャ=アラゴンの元植民地の統括に時間がかかるイギリス軍とオランダ軍に先駆け、インド半島へ向かった。


 ある日の昼、ベンガル湾を北西に向かって航行する織田連合軍の水軍艦隊。その中の鬼龍水軍の大将艦であるフリゲート艦、『長門』の甲板上では兜を脱ぎ甲冑を着こなした真斗が左のデッキから竹製の釣竿で釣りをしていた。


「んーーーーーっ南蛮でのいくさは熱いだけでなくジメジメしていて息苦しかったなぁ」


 などと東南アジアで経験した戦いに一人、愚痴を溢していると同じ様に兜を脱ぎ釣竿を持った左之助がゆっくりと真斗の右隣に笑顔で立つ。


わか様、俺もご一緒によろしいですか?」


 左之助からの問いに真斗は笑顔で頷く。


「ああ、いいぞ左之助」


 そして左之助は釣り糸を垂らして釣りを始める。すると左之助は真斗に何気なく笑顔で話し掛ける。


「ねぇわか様、南蛮でのいくさは日ノ本で経験した夏のいくさ以上に大変でしたね」


 左之助が同感する様に問い掛けると真斗は笑顔で頷き、少しクスッと笑う。


「ああ、確かに。雨は降ったり止んだりの繰り返し、ジメジメと湿気は激しいし、密林の足元は歩きずらいで敵の要塞を落とすにも一苦労だったなぁ」

「ええ、特にシュリーヴィジャヤの要塞攻略は本当に苦労しましたよ。なんせ道が悪路で真面に城壁を破る為の大砲が運べなかったですもんね」

「そうそう。あの時は仕方なく束にした太い三本の丸太を持った十二人の足軽達を大勢の置楯を持った足軽達で要塞からはなたれる矢から守りながら城門まで走って、門を破って落城させたからな」


 などと二人はお互いに笑顔で語り合っていると真斗の竿の糸が下に向かって強く引っ張られ、竿が山の様に大きく曲がり当たり魚が針に食い付くがくる。


 急に来た当たり魚が針に食い付くに真斗は慌てる一方で左之助は逆に興奮する。


「おぉーーーーーっ!わか様‼その大きな引きは大物ですよ!」

「分かっているよ!でも!・・・この強さは故郷の海でも味わった事がない強さだ‼」


 その後、一時間の格闘の後に真斗は見事に3mのシイラを釣り上げた。そして釣り上げたシイラは、その日の夕食当番であった忠司の手によって調理され上海料理の塩コショウ揚げとして皆は美味しく食べられた。


 それから水軍艦隊はインド半島に近づくに連れて半島の南部に作られたカスティーリャ=アラゴン連合王国の要塞から遊撃して来た数隻のガレオン船団と幾度、遭遇した。


「またアラゴンのガレオン船団が来たぞ!今まで通りに門前払いしてやれぇーーーーーーーっ‼」


 兜と甲冑を着こなす真斗が大声で指示をすると鬼龍軍の足軽達は高々に返事をする。


「「「「「「「「「「おおぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」」」」」」」」」」


 そして足軽達は搭載されている艦砲型の40ポンドアームストロング砲の後方ハッチを開き、素早く砲弾を装填と閉鎖を行いながら左舷から迫って来るカスティーリャ=アラゴン海軍のガレオン船団に照準を合わせる。


 一方、カスティーリャ=アラゴン海軍のガレオン船に乗るハーフエルフ達は急いで32ポンド砲の砲撃準備を急いで行っていた。


「指揮官‼︎各砲!装填完了しました‼」


 砲撃長を務めるカスティーリャ=アラゴンの紋章が描かれた白いサーコートを重ねたチェイン・メイルとケトルハットを着こなし、腰にアーミングソードを提げた男性のハーフエルフが後方の舵にいる同じ格好をしたハーフエルフの男性指揮官が頷く。


「よし!各艦‼一斉射撃!撃てぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」


 指揮官からの砲撃合図に他のハーフエルフ達は一斉に点火紐を強く引っ張り、右舷の32ポンド砲が轟音と共に火を噴いた。


 鉄球型の砲弾は水軍艦隊の艦に向かって飛ぶが、どれも至近弾はおろか通り越す砲弾は一発もなかった。


 一方、水軍艦隊は各自で装填を終えた40ポンドアームストロング砲を前へと押し出す。全ての砲身が出し終えたのを確認した鉢金を巻き甲冑を着こなすきょうが左に向かって叫ぶ。


「真斗ぉーーーーーっ!全主砲の発射準備は完了‼︎いつでは撃ち出せるわ!」


 ガレオン船団を見ていた真斗はきょうの方へ向き頷く。そして再びガレオン船団を見ると右腕を高く上げると前に向かって振り下ろす。


はなてぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ‼︎」


 真斗の大きな砲撃の合図に鬼龍軍の足軽達は一斉に点火紐を強く引っ張る。轟音と共に火を噴く各艦のアームストロング砲から打ち出された40ポンド榴弾はガレオン船団へと向かい、次々と至近弾または命中する。


 特に長門、村上水軍の『高雄』、九鬼水軍の『加賀』、毛利・小早川水軍の『金剛』と『最上』、長宗我部水軍の『扶桑』は次々と敵ガレオン船を撃沈し遊撃船団を全滅させ圧勝する。


 それ以降もカスティーリャ=アラゴン海軍は幾度も遊撃船団を差し向けてたが、全て水軍艦隊の前に全滅する事となり、しかもインド半島に駐留していた全艦が消失する最悪な結果となった。


 そして遭遇戦から五日後の早朝にはイギリス東インド貿易会社が拠点としているヴィシャーカパトナムに無事に入港した。


⬛︎


 織田連合軍の水軍艦隊がヴィシャーカパトナムに入港してから三日が経過した昼過ぎ。一部の陸上戦力は港に上陸出来たが、まだ大多数へ停泊する艦内で待ちぼうけをしていた。


 長門の甲板では多くの鬼龍軍の足軽達が武器の手入れや大砲の清掃、さらにチンチロや花札などで遊んでいた。


「くっそ。一体いつになったらムガルに入る事が出来るんだぁ」


 微動だにもしない釣竿を見ながらデッキに重ねた両腕に下顎を置きながら兜を脱いぎ、焦ら立つ表情で愚痴を言う真斗。


 するとそこに瓢箪に入った日本酒を飲みながら兜を脱いぎ甲冑を着こなす忠司が現れ、そして真斗の右側に背をデッキに預けて深い溜め息を吐く。


「ねぇわか様、まだムガルからは返事はないんですか?」


 待ちくたびれた様な表情で問う忠司に対して真斗は呆れた表情で頷く。


「ああ、まだだ。まったくイギリスめ。我々が来る事を事前にムガルに伝えていなかったとは」

「本当、情けないですよね。しかも我々との同盟の話も伝えていなかったとは」

「本当だよ。お陰で我々はこの通り暇を持て余している有様だ」


 薩摩に全軍が集結した日の夜、信長は今回の欧州征伐ではイギリスとオランダだけでなくヨーロッパ、特にカトリックと対立する国々と同盟を結ぶ事が得策だと考えていた。


 信長の考えは間違いではなかった。日英蘭だけではカトリックで構築された“神聖ローマ帝国”とその同盟諸国に立ち向かうには明らかに戦力不足であった。


 そこで欧州へ向かう途中で立ち寄るインド全土を支配するリザードヒューマンやラミアなどの爬虫類人種の国家、“ムガル帝国”との同盟を結ぶ事を決めた。


 早速、信長は英蘭の東インド貿易会社を通じてムガルに同盟協定を願い出た。返事はすぐに返って来て協定は前向きであった。だが、思わぬアクシデントが起こっていた。


「まいっちゃうよ。貿易会社が信長様の言伝を誤った翻訳でムガルに伝えたせいで不信感を与えてしまったからなぁ」


 真斗が困った様な口調と表情で言うと同感する様に忠司が頷く。


「ええ、本当ですよわか様。使節団が来ると思ってたら軍隊が来ましたからムガルが不信になりますからね」


 そう、翻訳ミスで信長の言伝を“欧州征伐の為に同盟を結ぶ為に織田連合軍の水軍艦隊が送られる”のをどういう訳か“欧州征伐の為に同盟を結ぶ為に織田家が使節団が送られる”と伝わってしまい、いざ水軍艦隊が到着するとムガルは東インド貿易社と共に日ノ本が侵略して来たと警戒されてしまったのだ。


「今、長政様が必死になって英蘭の東インド貿易社の社員を交えてムガルの大臣を説得しているけど・・・」

「ええ、最悪、我々を含めて英蘭の東インド貿易社はムガルから追い出されるかもしれませんからね」


 悲しみと不安を感じさせる表情で真斗と忠司は深く溜め息を吐く。


 すると二人の元に兜を脱ぎ甲冑を着こなす直虎が慌てながら現れる。


「真斗!大変よ‼︎インド半島の南西部から!」


 直虎からの知らせを聞いた真斗と忠司は驚愕する。


「何⁉︎ カスティーリャ=アラゴンの軍が!」

「奴らめ!力づくで来たかぁ‼︎どうしますかわか様?」


 忠司からの問いに真斗は迷う事なく決意した表情で答える。


「やむを得ん!打って出るぞ‼︎忠司!急ぎじい達にもこの事を伝え出陣の準備させろ!直虎‼︎今!我らを含めて他に動ける武将はいるか?」


 真斗からの問いに直虎は少し不安な表情で答える。


「一応、小田原北条軍と成田軍なら動けるけど!もし下手に動いたら我々はだけじゃなくて日ノ本の立場が危うく・・・」


 すると真斗は怒りに満ちた表情となり、左手を拳にし、強く手すりに叩き付ける。


「直虎‼︎今はそんな事はどうでもいい!肝心なのは‼︎ここが堕とされたらムガルは確実に愚かなカトリックに支配される!仏教誕生の聖地が踏み荒さぞ‼︎それでもよいのかぁーーーっ!」


 真斗の怒りでハッとなった直虎は直ぐに頭を下げる。


「ごめんなさい!そうよね。今、肝心なのは仏教の故郷を守るのが先決!分かった!直ぐに氏康様と長親様に伝えて来るわ!」

「俺もすぐにご家老様達にお伝えします!」


 二人が真斗の命を勇ましい表情で了承すると真斗はすぐに真剣で落ち着いた表情で頷く。


「忠司!直虎!頼むぞ‼︎」

「「はっ!」」


 二人は軽く真斗に向かって一礼をして急いで、その場を走り去って行った。


⬛︎


 ヴィシャーカパトナムのイギリス東インド貿易会社の西洋屋敷の応接室では西洋式の椅子に座り、テーブルを挟んで長政と安珍ウィリアム、そしてオランダ東インド貿易会社の社員、ヤックス・スペックスが向かいに座るムガルの男性大臣を説得していた。


「我々、日ノ本はムガルを!ましてや仏教の発祥の地であるインドを征服しようとは毛頭ございません‼︎軍が引き連れて来たのはあくまでも欧州征伐の為だけです!」


 兜を脱ぎ甲冑を着こなす長政の説得を右側に座り、西洋服を着こなし聞いていた安珍ウィリアムは流暢なヒンディー語で大臣に伝える。


「大臣、ジパング日ノ本が軍を引き連れて来たのは決して貴国を征服する事とではなくヨーロッパと戦う為であり、ムガルとは友好的な同盟を結ぶ事を望んでいます」


 そして長政に左右側に座り、西洋服を着こなし聞いていたヤックスも今回の誤解を弁解する。


「大臣、この度は我が社ならびに英国東インド貿易会社の社員が通訳ミスをしてしまったのが原因です。どうか日ノ本を疑わないで下さい」


 深々と大臣に向かって頭を下げるヤックス。だが、向かいに座り、ターバンを頭に巻き、色鮮やかなドウティを着こなすリザードヒューマンの男性大臣は両腕を組んで悩む。


「しかし、通訳のミスであったら直ぐさ弁解に来るのが筋であろう。どうして誰も弁解に来なかった?」


 大臣からの疑念に三人は何も言えず黙り込んでしまった。するとそこにチチャクヘルムとチャール・アイナを着こなした男性リザードヒューマンのムガルの兵士が息を切らし、慌てながら部屋に入って来る。


「失礼します!大臣‼︎大変です!南方の要塞からカスティーリャ=アラゴン軍が突如、北方を目指して進軍を開始!その規模は約三万です!」


 ムガル兵からの報告に大臣のみならず長政達も驚き、立ち上がる。


「進軍だと⁉︎それで奴らの目的と目標は?」


 大臣からの問いにムガル兵は持っている地図をテーブルに広げ、指で指し示しながら答える。


「カスティーリャ=アラゴン軍の目標はここ!ヴィシャーカパトナムです‼︎目的は我らムガルとジパングとの同盟成立の阻止です!ここへの到着は三日後かと‼︎」


 それを聞いた安珍ウィリアムは悔しがる様な表情で平手でテーブルを叩く。


「くそ!奴らめ‼︎先手を打って来たな!大臣!早く迎え撃たないとまずいですよ‼︎」

「あっああ、そうだな。騎兵隊長!すぐに軍を向かわせるんだ!」


 安珍ウィリアムからの進言に大臣は軍の出動を命じたが、騎兵隊長は首を横に振る。


「いいえ、大臣。軍は既にこちらに向かっているのですが、スコールの影響で到着には時間が掛かっているのです!ここへ到着は最悪!六日後かと‼」


 騎兵隊長からの悪い知らせに大臣は椅子に座り、落胆する。


「何という事だ。では我々はお終いと言うのか?」


 大臣からの最悪な問いに認めたくない気持ちを堪えながら騎兵隊長は目を閉じ頷く。


「はい・・・それと、偶然にもヴィジャヤワーダに赴いておりましたラクシュミー・バーイー様が連合王国軍カスティーリャ=アラゴンの進軍を聞き付け、自身の近衛隊を引き連れて遊撃に向かわれたのですが・・・」

「隊長ぉーーーっ!隊長ぉーーーっ!大変です‼︎」


 最後まで言いかけた時に慌てた様子で別の男性のムガル兵が現れ、騎兵隊長の耳元で囁く。そして伝令に来たムガル兵からの報告に騎兵隊長は驚く。


「何⁉︎一部のジパングのサムライ将軍が!自軍を連れてカスティーリャ=アラゴン軍の迎撃に向かっただとぉーーーっ⁉︎」


 それを聞いた長政は肝を潰したかの様に驚く。


「何だとぉ⁉一体誰が・・・‼」


 長政の頭に真斗の笑顔がよぎり、口元を隠す様に右手で覆う。


(真斗の事だ。あいつは常に弱き者や困っている者の為に身を投じる性格で常に我が身を顧みない一面を持つ。ありえる)


 心の内で長政の考え抜いた答えは間違っていなかった。ムガルからの一部、許された日ノ本の使者以外は上陸してはいけない条約を破った真斗達は今、激しい雨が降るインドの蜜林道を一万弱の軍勢だけで走っていた。


 軍の先頭では兜と甲冑を着こなした真斗が遠征の為に連れて来た愛馬の轟鬼ごうきに乗って走っていた。


「おい!真斗!本当にいいのか?一万弱の手勢だけで!もっと多く引き連れて来た方がよかったんじゃ‼」


 真斗の右隣で兜と甲冑を着こなし、黒い愛馬に乗り走る氏康からの問いに彼に向かって顔を向け真剣な表情で頷く。


「ああ!むしろ逆に自軍の手勢が多いと進軍の足が遅くなる‼そうなったら進軍する敵を止める事は出来なくなる!」


 真斗から出た現実的な答えに氏康は納得する。


「ああ!確かにそうだ。しかし!すまんない真斗‼俺と長親しかすぐに動ける者がいなくて!」


 氏康は真斗に申し訳ない表情で言うが、真斗は笑顔で顔を横に振る。


「いいや、別に大丈夫だ。それに長親殿どのが来てくれたのは心強いよ」


 笑顔でそう言い真斗に対して彼の左隣を兜と甲冑を着こなし、茶色い馬に乗り走る長親が笑顔で照れる。


「いやぁーーーっなーーに。友人からの頼みだったら断る訳がないでしょ」

「ありがとうございます。それよりもう少し急ごう!一刻も早くカスティーリャ=アラゴン軍の進軍を止めないと‼」


 すぐに真剣な表情に戻った真斗に対して氏康と長親もキリッとした表情で頷く。


「「おう!」」


 そして三人は馬の手綱を大きくしならせ速度を上げる。また後ろから付いて来る陣笠と甲冑を着こなし武装した足軽達も隊列が伸びない様に走る速度を上げるのであった。


 しかし、真斗のこの独断専行は後に日ノ本に多いな吉を齎す事になるのはまだ知らいのであった。



あとがき

インド半島を長く統治していましたムガル帝国編のスタートです。当初の執筆計画では二話で終了する予定でしたが、物語が大きくなり本話を含めて三話構成となりました。

次回は日ノ本とムガル帝国の同盟軍とカスティーリャ=アラゴン軍との戦闘を描きます。

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