第 拾参 話:鬼神の怒りと悪鬼の強欲
祝いの宴会の翌日の昼、鬼龍の旗印を背負った黒い甲冑と
一方の中庭が見える和室の
「嘘だろ幼い頃の
驚く真斗に
「ええ、そうなの。よく屋敷の門を通る人に向かって泥だんごを投げつけたり、時には
「平安京一と言われる美女の幼少期がまさか!真斗と同じなのは驚きだな」
政宗の口から出た事に
「え⁉真斗も昔は悪戯っ子だったの?」
真斗はお茶を一口飲み、喉を潤すと答える。
「ああ。よく
「へぇーーーっ私以上に悪戯好きだったのね。しかも
「いや愛菜だけじゃないんだ。時には母上も俺達、
「おお!それは初耳だな。本当なのか?お前達の母もしていたのか?」
真斗は木皿に乗った鯛焼きを一つ手に取ると政宗に向かって笑顔で頷く。
「ええ、そうなんですよ。母上って意外と子供っぽい所があったんですよ」
そう言うと真斗、
するとそこにさっきの急いで伝令兵が慌てながら現れ、真斗達の前に片膝を着く。
「
ただならぬ慌てように真斗は持っていた鯛焼きを木皿に置き伝令兵が際し出した書状を受け取り、内容を確認する。
すると真斗は書状の内容に驚愕し、伝令兵に問う。
「おい!この内容は本当なのか?」
「はい!間違いありません‼速やかなる返答しなければ、ここ会津に向けて総攻撃をすると‼」
真斗はまるで苦虫を嚙み潰した様な表情で歯ぎしりをする。
「分かった!お前は直ぐに
「はっ‼」
伝令兵は一礼をし、立ち上がると速やかにその場を去る。その直後、真斗は持っていた書状を握り潰す。
「おのれぇーーーーっ‼ふざけた事を申しっおってぇーーーーーーっ‼」
今まで見たこともない鬼の形相となった真斗に恐れる
「あの・・・真斗・・・何があったの?」
すると真斗はそのまま振り返り、和室の襖を開く。
「
それだけを言い残した真斗は一人、和室を出るのであった。
⬛︎
大広間の上座に胡坐で座る真斗の他に源三郎と平助の他に二人の男性家臣、そして
「皆!集まった!聞き及んでいるが、先程、旧今川勢の家臣である『
すると真斗は一呼吸を置き、鬼の形相となる。
「“鬼龍 真斗の正室!
真斗の口から出た書状の内容に皆は驚愕し、同時に怒りが込み上がる。
「なんと!
「
源三郎と共に彼の右側で正座する愛菜が
「
源三郎の左に正座する平助がそう主張すると向かいに胡坐をする家臣の『
「平助殿の言う通りです!従う義理などありません‼︎あんな
そして左之助の左側で正座をする『
「
皆の
「真斗!俺は戦うべきだ‼お前ら鬼龍家のみならず我ら伊達家も侮辱したんだ!あのクズには
また彼は気に入った美しい女性を見付ければ例え人妻でも無理矢理、側女にしたり無茶苦茶な立て前で他国を侵略し支配する程の強欲傲慢で、しかもちょっとしたイラつきで百姓や家臣一族を拷問したり斬首にする残忍冷酷な性格である。
皆の怒りの声を聞いた真斗は目を閉じ、深く深呼吸すると落ち着いた表情で左側に正座する
「
真斗からの提案に
「嫌です!例え鬼龍家が滅びる運命であったとしても私は絶対に愛する貴方様の元を離れません‼もし無理でも離れろというのであれば!私はこの場で舌を噛み切って自害します‼」
彼女の揺るがない決意の前に真斗は押され、急にフッと笑い出す。
「分かった!お前の決意、確かに受け取ったぞ
真斗からの約束に
「分かったわ真斗!その代わり私とも約束して‼絶対に
「ああ、分かった
そう言うと真斗は
「真斗!俺も今回の
「分かりました!伯父上‼ありがとうございます!」
真斗は笑顔で政宗に向かって一礼する。そして真斗は固い決意を示した表情で前を向き、立ち上がる。
「皆の者‼外道将軍!
それを聞いた皆は固い決意に満ちた表情で大きく拳を上げる。
「「「「「おぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ‼」」」」」
⬛︎
真斗達が戦う決意を固めてから三日後、
一方の
「
「お願いします・・・
「お願い・・・します・・
「よいとも!ただし、俺の子を宿して産んでもこの
まさに強欲傲慢な
「
「そっか。それで返事は?」
怪しげな笑顔で問う
「はっ!申し出を断り、我らと
それを聞いた
「そっか!よーーーし‼これで会津と
「はっ!」
「ところで
「分かり・・・ました」
「よし!もういいぞ、下がれ」
「はっ!」
大広間から聞こえて来る
(おのれぇ‼
心の内で
あとがき
今回の話の描写もかなり攻めた物となっています。
今回、初登場した架空のオリジナル武将『
かなりヤバいゲスでクズの武将にしています。
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