第22話 テキル星(4)ティアと繋がった日
「王城の中はどこでもご自由にご覧下さい」
という国王のお墨付きを貰え俺達は、旅の準備が整うまでの数日間を、各自の自由時間にする事にした。
ライドとメルスは王城の裏庭で、乗り物の設計と製造を始める様だ。
イクスは厨房の出入りは勿論、食材の収穫や狩猟に付いて行く事も許されているので、野生の生物についても色々学んでおきたいそうだ。
ミリカは部屋にありったけの生地を用意させ、様々なデザインの衣服を作る事に専念するらしい。
で、俺は全体の動きを把握できればと思っているのだが、ティアとシーナがいつもくっついて来るので、この機会にコミュニケーションの基礎でも学んでもらおうと、王城を色々見て回ったり、メイド達と雑談したり、騎士や兵士達の訓練を見学したりする事にした。
今日はそんな感じで日が暮れるまで過ごしたのだが、各自久々の創作活動で疲れているだろうからと、
「ご夕食は如何いたしますか?」
と国王に訊かれた時には「自室で食べるから」と食事を部屋に運び入れてもらって、部屋で過ごす事にした。
「ふう~、満腹だ!」
と俺は、6畳間くらいの大きさがある巨大なベッドに寝転がり、「我ながら、初日の成果としては上々なんじゃないか?」
と自画自賛していた。
宇宙基地から出発し、小型艇から強制的に落とされた場所がバティカ王城の城壁の外で、それも時間が早朝過ぎて周りには誰も居ないし、街もどこも閉まってるしで「この先どーすんだ」って気分だったけど、インチキ魔術師が現れたおかげで、国王に会えただけでなく王城に住んで旅の支度が出来る事になったんだから、これは相当に運がいい。
そうして俺がベッドに寝転んでいると、ティアとシーナもベッドに上がって俺に腕枕を要望してきた。
ま、結婚したしな。
俺は両腕を左右に伸ばし、ティアとシーナはいつも通りに腕枕でくつろいでいた。
そうしてしばらく経った頃、部屋の扉がノックされ
「お食事はお済みでしょうか?」
というメイドの声が聞こえて来た。
俺は立ち上がって、部屋の扉を開け、
「ああ、この食事もとても旨かった。食器を下げてくれ」
とメイドに言った。
部屋の外にはメイドが10人近く控えていて、3人が食器の片づけの為に部屋に入った。
すると残ったメイドの中から一番年長らしいメイドが歩み寄ってきて頭を下げ、
「湯あみの準備も整って御座います。ご案内致しますので、どうぞこちらへ」
と言った。
おお! 風呂か!
プレデス星に転生して以来、シャワーばかりで湯に浸かった事が無かったが、ここには風呂があるのか!
「おお! それはいいな!」
と俺は、ベッドの上で俺の帰りを待っているティアとシーナにも、「ティア、シーナ。ここには風呂があるらしい。一緒に行かないか?」
と呼びかけた。
「フロ?」
と二人はキョトンとしているが、こいつらにも風呂の良さは伝えておきたいところだぜ。
シーナはすぐに立ち上がり、
「ショーエンが行くなら当然行くのです」
と風呂が何かは分かっていない様だが来るらしい。ティアは
「わ、私も行く」
と、やはり来るらしい。
俺達はメイドに促されるまま、廊下を歩いて階段を降り、1階の廊下の突き当りにある扉の中に通された。
どうやらそこは脱衣所の様で、ローブの裾をたくし上げて腰のところを紐で縛った格好のメイド達が数人控えていた。
(あれ? 男湯とか女湯とかがある訳じゃないの?)
と俺は思ったが、まあ仕方が無いか。
そんな常識が無いかも知れない事は考えておくべきだったが、結婚してるし、ま、いっか。
と俺は脱衣カゴらしきものがある棚の方に向かって歩き出した。
ティアとシーナもよく分からないまま俺の手を握ってついてくる。
「ティア、シーナ。ここは風呂って言ってな、身体を清めて温かい湯に身体を浸すところだ。気持ちがいいから湯に浸かってみるといい」
と俺は二人に言いながら、二人の手を放してジャケットを脱ごうとした。
すると数人のメイドが駆け寄って来て、俺の脱衣を手伝いだす。
(ああ、よくある王室とか貴族とかが自分で服も着れないとかいうアレか?)
と心の中で考えながらもティアの方を見ると、二人のメイドがティアの服を剥ぎ取っていくところだった。
「え?え?」
と混乱気味のティアが俺の方を見て助けてほしそうにしているが、当の俺が平気な顔でメイド達に脱がされるままに全裸になってゆくのを見て、顔を真っ赤にしながら
「こここ・・・これって・・・」
と訳が分からないまま、メイド達にされるがままで立ち尽くしていた。
シーナの方を見ると、こちらも顔を真っ赤にしているが、その目は俺の股間にくぎ付けになっていて、言葉も無いままメイド達に全裸にされていくだけだった。
俺達が全裸になると、脱衣所の奥にある浴室の扉をメイドの一人が開けて、顔を伏せている。
服を脱がせてくれたメイドの一人が
「どうぞこちらへ」
と俺達を浴室へと案内し、湯けむりが満ちた浴室へと入って行った。
浴室は広かった。
洗い場らしき設備は無いが、俺達はメイドに促されるまま浴室の壁際に立たされ、数人のメイドが植物の繊維で作ったスポンジの様なもので俺達の身体をゴシゴシと洗ってくれた。
ティアもシーナも緊張で固まっているが、メイドにされるままに身体を洗われている。
俺はメイド達にされるがままになっているティアとシーナの肢体を眺めながら、「綺麗だなぁ・・・」と思った。
もう充分に大人の身体になったティアと、性格は幼いように思えたが、ちゃんと成人して大きくはないが胸もふっくらと成長しているシーナの身体を見ていると、心とは裏腹に下半身に熱いものが
(心はともかく、この身体は16歳の青春真っ盛り。 意外と身体は正直なんだな。)
などと考えつつ、下半身のジュニアがエレクトしないように頭の中で念仏を唱えていた。
ひと通り身体を洗い終えたのか、メイド達は3人を残して浴室を出て行った。
浴槽は20人くらいは入れそうな大きなもので、深さは40センチくらいのようだ。
メイドに促されるままに最初に俺が湯の中に入り、浴槽の真ん中あたりまで歩いてその場で肩まで湯に浸かる事にした。
ティアとシーナは湯に浸かるとすぐにしゃがみ込んで湯の中に身体を隠し、それでもシーナは顔を赤くしながら、鼻息荒くこちらに近づいてきた。
そんなシーナを見て、ティアも同じ様にこちらに近づいてくる。
俺との距離を1メートル位空けたところで止まり、その場でじっとして俺の顔をまじまじと見つめていた。
「はあ~っ・・・ いい湯だ」
と俺が目を瞑ると、
「こ、これって、何なの?」
とティアが訊いてきた。
「これが風呂ってやつだ。そんなに固くなってないで、身体の力を抜いて、全身で湯を感じてみな」
と俺が言うと、ティアも観念したのか、ゆっくりと身体の力を抜いて、
「ふうう・・・」
と息を吐いた。
シーナも同じ様に
「ふぃ~・・・」
と言って肩まで湯に浸かり、俺がしていた様に目を瞑った。
「どうだ? 気持ちいいだろ?」
「う、うん。気持ちいいのは分かるけど、すごく恥ずかしい・・・」
とティアが言いながら顔を赤らめている。
シーナの方がこういうところは豪胆らしく、俺の身体に触れるところまで来て
「こうした方がもっと気持ちいいのです・・・」
と、俺の左腕に腕を絡めて来た。
ティアもそれを見て、恐る恐る近づいて来たかと思うと、俺の右腕に自分の腕を絡ませて
「ふう・・・」
と息を吐いた。
「はあ~、やっぱ風呂はいいな~」
俺は前世で行った温泉宿の事を思い出しながら、風呂の有難みを全身で感じていた。
そして、二人の胸の柔らかさと、胸の先にある突起が俺の腕に当たるのを感じながら、またもや迫りくる下半身への衝動を、俺は何とか精神力でねじ伏せていた。
若い身体の制御ってのは、なかなか難しいもんだな。
何だか力が
これが前世の俺の老いた身体じゃあ、いくら頑張っても下半身のモノは風邪を引いたナマコの様にグッタリしてたもんな・・・
そんな事を考えながら、俺は頭の中で100を数えていた。
「よし、身体も温まったし、そろそろ出るか」
と俺が立ち上がると、ティアとシーナもつられて立ち上がり、露わになった肢体を隠そうと肩を丸めて俺の背中に隠れる様にした。
(はははっ、恥じらう姿も可愛いね。)
と俺は思いながら、浴槽をゆっくりと歩いて湯の外に出た。
それを見た2人のメイドは浴室の出口扉まで案内し、浴室の扉を開ける。
脱衣所にはさっきのメイド達が大きな布を持って待機しており、その布で俺達の身体をマントの様に覆い、身体の水気をぬぐっていった。
自分の裸体が隠れた事で、ティアもシーナも少し安心したようだ。
ま、夫婦生活ってのはこれからも続く訳で、いつかはこうなるんだから、今日こうして一緒に風呂に入れたのは良かったんじゃないのかな?
俺は自分勝手にそんな事を思いながら、メイド達にされるままになっていた。
身体を拭き終えると、ガウンの様な衣服を着せられた。
ほう、この星にも寝間着みたいなものがあるんだな。
メイド達は俺達のガウンの前を重ねて、布で作った紐を腰に巻いて腹の前でギュっと結んでいる。
そして俺達を脱衣所の出口まで案内し、廊下を歩いて自室まで戻って来る事が出来た。
メイド達は俺達が部屋に入ると、
「御用がございましたらお呼び下さい」
とそれだけ言って、扉をゆっくりと閉めたのだった。
△△△△△△△△△△△△
時計を見ると、夜の10時を過ぎたところだった。
風呂から戻った俺達は、ベッドの上に寝転んでいた。
石鹸などを使った訳では無いのに、ティアもシーナもいい匂いがする。
これが女の本来の匂いなのだろう。
俺は、ティアのまだ少し湿った髪を指で
ティアは少しビクっとしたが、ティアも俺の右足に自分の足を絡めて来た。
シーナは目を瞑ったまま、ほんのりと頬を赤らめているが、これは湯に浸かったせいだろう。
そうしてしばらくまったりとした時間を過ごしていると、左腕の方からシーナの寝息が聞こえて来る。
「シーナ、寝ちゃったね」
とティアが言った。
「ああ」と俺は短く応えた。
この時の俺は、いつもの俺では無かったのだと思う。
久々に湯に浸かって身体を温めたせいか、肉体年齢に心が引っ張られていたのかも知れない。
ただ一緒に風呂に入っただけの事なのに、目を瞑るとティアの裸体が浮かび、下半身に血液が集まるのを感じる。
俺の右腕にティアの体温を感じ、それほど大きくは無いが柔らかな胸の膨らみと、その先端の突起が、ガウンの布越しでも感じられる。
ティアの吐く息もいつもより熱い気がして、初めてキスをした時のティアを思い出した。
湿った髪がティアの頬に貼りつき、顔にかかった髪の間から上目使いに俺を見るティアが、これまでに無いほどに艶めいて色っぽく感じた。
俺の左腕では、シーナが小さなイビキを立てだした。
(今日は色々あったから、疲れていたんだろうな・・・)
俺はシーナを起こさない様に、シーナの頭の下からゆっくりと左腕を抜き、シーナの身体を抱き上げて、ベッドの端に寝かせて布団を肩までかけてやった。
それを見ていたティアが、
「シーナ、本当によく眠ってるね」
と言って、俺がベッドの上でティアの元に戻るのを待っていた。
俺がティアの元まで戻ると、ティアは俺の胸に顔を
その反動で、俺の身体は仰向けに倒れてベッドに沈む。
「今・・・、私がショーエンを独り占めしてるんだね・・・」
と言ってティアは、俺の胸に埋めていた顔を上げ、ベッドに肘をついてよじ登って来る。
そして今俺の顔の上にティアの顔があった。
ティアの髪が流れて俺の顔をくすぐる。
ティアの目は少し潤んでいるようにも見える。
ティアはそのまま顔を俺に近づけ、唇を俺の唇に触れさせ、やがてティアの方から舌を絡ませて来た。
「ん・・・!」
とティアの艶めかしい声が聞こえる。
俺は両手をティアの背中に回し、ティアを抱き寄せた。
ああ・・・
今日の俺はどうかしてる。
ティアが愛おしくて堪らないんだ。
長く続くキスをしながら、俺はティアの背中をゆっくりと撫で、右手でティアの腰までを撫で上げた。
ティアの身体は何度もビクっと跳ねるが、それを俺の左腕が抱きしめて逃がさない。
ティアはそうされながらも俺の舌に吸い付き、自分の舌を絡める事を止めようとはしなかった。
俺の右手はティアの尻を撫で、また背中まで戻るという動きを繰り返した。
「ふっんっ・・・!」
背中を撫でる度に跳ねるティアの身体を更に強く抱きしめ、
「はあっ」
とティアが唇を離すまで続けた。
はあはあと熱い息をするティアの額には、いつの間にか玉の汗が浮かんでいて、赤く火照った顔は更に艶っぽく美しく見えた。
俺はティアを抱きしめたまま身体を入れ替え、ティアが仰向けになり、俺がティアを見下ろす位置になった。
「ティア・・・」
と言った俺は、もう一度ティアの唇に吸い付いて舌を絡ませ、口づけをしながら右手でティアのガウンの腰紐を解いていったのだった。
△△△△△△△△△△△△
ティアは口づけをされながら、自分が何をされているかは解っていた。
浴室で一度は見せた肢体だったが、今も恥ずかしさでいっぱいだった。
しかし、ショーエンが絡めて来る舌の感触をもっと確かめたいと、本能がそう叫んでいた。
ガウンの腰紐はショーエンの手によって解かれ、ティアのガウンが左右にはだけた。
今、自分の肢体がショーエンの目に晒されている。
それだけでティアの心臓は、飛び出しそうな勢いでバクバクと鳴っていた。
ショーエンは口づけをしたまま、ティアの腹部にそっと手を置き、そしてゆっくりと上下に撫でてゆく。
その度にティアの身体が跳ね上がり、自分ではその反応を止める事は出来なかった。
ショーエンの手はティアの胸まで上り、やわらかな双丘をやさしく包み込んでいく。
固く敏感になった丘の頂上を、ショーエンの手の平が撫でる度に、どうしようも無く切ない気持ちが下腹部に走る。
「はぁっ・・・」
と、自分でも聞いた事が無い様な声がティアの口から洩れる。
それが恥ずかしくて堪らないのに、もっとそれを感じていたいと思ってしまう。
やがてショーエンの手がティアの下腹部まで下りてゆき、さわさわと淡い繁みの上を触れるか触れないかという微妙なタッチで撫でてくる。
ティアの身体は熱く火照り、ショーエンの右手の動きをを感じ取ろうと、全神経が下腹部に集中しているかの様だった。
ショーエンの右手はティアの足の付け根へと伸びてゆき、淡く陰ったクレバスへ飲み込まれていくのを感じた。
「ああ・・・!」
と最後の抵抗をするかの様に、ティアの口から声が洩れる。
少し湿った唇から洩れるティアの声は、艶めいていたが、未知への恐怖がこもっていた。
(私の身体、どうなってしまったの・・・?)
それはまるで、フワフワと宙に浮いているような感覚でもあり、何かに固く縛り付けられているような感覚でもあった。
ティアの下腹部に伸びたショーエンの手が、淡い陰りに潜む熱く湿ったクレバスへと沈み込むと、クチッと小さく湿った音がした。
それがティアが分泌した液体によるものだとティアは知っている。
クレア星の惑星疑似体験施設で初めて男女の営みを目にした時に、下腹部に感じた疼きと共に、何かが足の付け根を伝い落ちるのを感じた事があったからだ。
それが発情だと後に知ったティアは、今の自分も激しく発情しているのだと理解していた。
しかし、ショーエンの指が徐々にティアの中に入ろうとするのを、ティアの太腿が拒む様に閉じようとする。
それを察知したかの様に、熱く濡れて滑りの良くなった泉を、ショーエンの2本の指が上下に動き、その指の腹がクレバスの上端にある充血した突起に触れる度、ティアの腰がビクっと浮き上がった。
何度もそうして突起を逆撫でされるうちに、ティアの頭が痺れて自分を見失いそうになる。
自分でも知らないうちに力の抜けた両腿の間を、ショーエンの指が無遠慮に蠢き、やがて溢れ出るティアの泉に誘われたかの様に、一本の指がティアの中に滑り込んだ。
自分の身体の中にショーエンの指を感じ、ティアは思わずショーエンの背中を強く抱きしめた。
自分の身体が自分ではないかのように跳ね、両足は電気が走ったようにピンと伸びる。
「ティア・・・ 愛してるぞ・・・」
というショーエンの声が聞こえると、力んでいた足の力が魔法の様に溶けていく。
やがてショーエンが少し身体を起こしたかと思うと、ティアの両足を抱え、ティアの身体に覆いかぶさった。
そしてその瞬間、ティアは腰から崩れていきそうな甘い痺れにも似た感覚に襲われ、自分の中にショーエンが入って来るのを感じた。
自分を強く抱きしめてくれるショーエンの逞しい腕。
熱い息を吐くショーエンの唇。
その全てが愛おしく、ショーエンを抱きしめる手に力が入る。
「んん・・・ はぁ・・・」
ティアから洩れる熱い吐息がショーエンの首筋にかかる。
幾度となく突き上げられるうちに、身体の奥が痺れて宙に浮いているような感覚になる。
プチュプチュと
まるでショーエンと繋がったところから、ティアの全身を快感という名の電流が駆け巡るかの様な感覚。
やがてその感覚は大きなうねりとなってティアの身体を飲み込んでいく。
ズンズンとショーエンの腰がティアの足の付け根を打ちすえる度に、頭の中がチカチカと白く光り、それは何度も迫りくる波の様に、現実と幻想の世界を行き来した。
ティアは自分がショーエンの動きに合わせて「あっ、あっ、あっ!」と声を上げている事に気付き、あまりの恥ずかしさに、それを打ち消そうと身体をよじる。
しかしティアの思いとは裏腹に、身体をよじる度にさらなる快感がティアの全身を襲い、むしろ快感の波がどんどんと大きくなっていくのを感じていた。
まるで大波のように迫りくるその感覚は、どこまでも大きくなって、やがて自分の身体を制御する事さえ出来なくなり、もう逃れようが無いところまで高まっていく。
そして眼前に迫る大波が、ティアの視界いっぱいに広がって真っ白な
「ああああああ・・・・・・!!」
とティアは、絞り出すような声を上げて、身体が大きく浮き上がるような感覚と共に、ビクビクと激しい痙攣に襲われる。
息をするのも忘れそうになる程の感覚に、ティアは何かを求める様に大きく身体を跳ね上げた。
同時に身体の中でショーエンの熱い魂がほとばしり、やがてその魂がティアの心を優しく包み込んでいくのが分かった。
真っ白になっていたティアの視界は、徐々に薄暗い寝室の天井と、その手前で肩で息をするショーエンの汗ばんだ姿を映していった。
はあはあと息を荒げるショーエンの呼吸を頬に感じながら、ティアは自分も熱い息を荒げている事に気付いた。
やがて二人の呼吸が収まってゆき、次いで揺りかごに包まれた赤子の様に、ティアの心は安心感で満たされていった。
そしてショーエンのものが自分の身体の中から引き抜かれる時には、まるで別れを惜しむ子供の様に腰が震えた。
ジンジンとまだ痺れている足の付け根の感覚を、ティアは両腿を重ね合わせて鎮めようとしていた。
「ティア・・・」
とショーエンの声が聞こえた。
ショーエンの手は、ティアの胸の鼓動を確かめるようにやさしくそっと置かれている。
そして、今度は優しい唇のキスをして、ティアの首筋にショーエンの髪が触れるのを感じた。
「愛しているぞ・・・」
というショーエンの声に、ティアはこれまでに無い程の心の震えを感じ、自然と涙が溢れてきた。
初めてショーエンの身体を受け入れたティアの身体は、まだ熱く火照ったまま、小さな痙攣を繰り返していた。
まるでしゃっくりの様に震える自分の身体を強く抱きしめたショーエンの身体に、ティアはこれまで感じた事の無いほどの喜びを得ていた。
「うん・・・私も・・・」
と無理やり笑顔で言ったティアの目は、何故か涙が止まらないのだった。
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