第17話 イバラ姫とアンとクロウネさん
今回も読んでくれてありがとう。
続きを話すね。
私はスマートボードで、ボクちゃんを呼び出したの。
彼女は以前ドロシーの記憶を辿ったから、何か知ってるかもしれないって思ったからよ。
今回は温泉に入りながら、ボクちゃんとお話したわ。
「ママからボクを呼んでくれるなんて嬉しいよ。それで、エルフさんからは何かいい情報は聞けたの?」
「ボクちゃんの話していたドロシーって子がね、女神と会っていたらしいの。何か思い出せそうなことはある?」
「ごめんねママ。前も言ったけど、生体エネルギーが完全に残っていたわけじゃないから、古い記憶までは追えなかったんだ」
「そうなの。まあいいわ、ボクちゃん、こっちへ来なさい」
「ありがとう。ママと一緒にお風呂に入れてボク嬉しいよ、だって……」
「ボクちゃんはあの儀式の記憶を見たんでしょう?そしたら、ママと一緒に同じことがしたくなったのよね?」
「そうなんだ。でも……」
「ママとボクちゃんの関係では無理ね。ボクちゃん、あなたがクロウネさんに戻るなら考えてもいいわ。一つ教えて。あなたはなんで私を好きになったの?」
「……初めて見た時に、何故かあなたがイバラ姫に見えたの。私はイバラ姫に憧れてこの仕事に就いたからさ。それで……」
イバラ姫は、ローゼンブルクの伝説とまで言われている英雄なの。
かつて、ローゼンブルクで内乱が起きた時、彼女が第三勢力として立ち上がり、この国を一つにまとめ上げた。
その時の活躍ぶりから彼女は戦姫と呼ばれて、この国の女王となって、今の王国を作り上げたの。
「そう、私がイバラ姫に見えたの。買い被りすぎよ、クロウネさん。でもいいわ。私もあなたのこと、好きよ。来て」
そういって私はクロウネさんに微笑んだ。
そしたら、クロウネさんは私を強く抱きしめて、そして・・・。
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私とたくさん愛し合ってから、ボクちゃんに戻ったクロウネさんは、後ろから私を抱きしめながら、日太刀王の話を始めた。
「ママ、本当にありがとうね。お礼に、ママにとっておきの話を聞かせてあげるよ。日太刀王の本当の名前はバラキって言うんだよ。バラキの魔道獣の能力はね・・・」
クロウネさんが日太刀王の魔道獣の能力を話し始めた途端、クロウネさんの首のチョーカーが一気に締め付けられて、意識を失ってしまったの。
「ボクちゃん!?ボクちゃん!!返事をして!!!息していない!!!すぐ助けるから!!私が助けるから絶対に生きて!!生きるの!!!クロウネさん!!!」
私はすぐにチョーカーを外そうとしたけど外せなくて、魔力を一気にチョーカーに流し込んで壊した。
そして、声にならないような叫び声を上げながら必死に心臓を押して彼女を蘇生させようとしたけど、結局間に合わなかったの。
私の目からは涙が止まらなかったわ。
そしてその時、私の中の何処かで、暴走気味の私を抑えていた理性のブレーキが、完全に壊れた気がした。
ここまで読んでくれてありがとう。
でも、ごめん。
ここからは一気に読んでほしいんだ。
だから、次からは君に話しかけないけど、それでも読みに来てくれたらうれしい。
お願いします。
あなたのことが大好きなアンより。
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