第4話:【配信】ホロメモ世界にチャチャ入れる。
「みなさんこんチャイ! 茶々イレルです! 今日は今話題のソーシャルゲーム、『幻想少女 ホロウメモリアル』をプレイしていきます!」
《こんチャイ〜》
《こんチャイ!》
《こんチャイ 幻想少女か、人気だよな》
「こんチャイです! 人気ですよねぇー」
茶々イレルとして活動を始めてから一年ちょい。メンバーさんも出来始めてノリに乗っている今、話題のゲームを遊ぶことで新規さんをもっと増やしたい! まぁ、俺がこのゲームをやってみたいっていうのも一つの理由だけど。
「タイトルの娘たちも可愛いですねぇ。どの子が人気なんですか?」
《真ん中のスカレットちゃん。赤がモチーフのクール娘で、誰よりも強い情熱を持ってる》
《ブルースちゃんでしょ。包容力たっぷりなロリなのにドジっ子キャラだぜ?》
《グリエル様だろぉ? ネタバレになるから言えないけど、ストーリーがいい》
《だ、誰かイエルロちゃんにも触れてあげて……》
《くーるびゅーてー(笑)はちょっと……》
《おい、カーペットちゃんをイエルロって言うのはやめろよ》
《↑逆ゥ!》
「あはは、いろんな子がいるんですね。この白髪ロングの子はどうなんですか? ビジュが好きなんですけど」
《あっ(察し)》
《その子だけはやめとけ、悪いことは言わんから》
《また1人、アスナ沼につかる人が増えたか……》
「ふ、不穏なこと言わないでくださいよ……」
◇◇◇◇◇
「やばい! 負ける!!」
普通のソシャゲであれば焦ることはないのだが、噂によればホロメモはマルチエンディングを採用している。
初配信でいきなりバッドエンドは流石にまずい。
「頼むスカレットちゃん!」
『繋がれ、私の意志よ! 『演算共有』!!』
味方の性能をアップさせるスカレットのアルティメットスキル! だが、今は味方が一人しかいないせいで、その効力を最大限に活かしきれていない。
「スカレットちゃん!?」
まずい、前線で弾幕張っていたメイン火力がいなくなった! 残るはメイン盾のブルースちゃんのみ、武器はハンドガンオンリー。
《あぁー、これは終わったな》
《どんまい、次がある!》
《乙》
《ん? おまいら知らんの? 最初のチャプターでバッドエンドになることはなくなったんやで?》
《↑ま?》
《本当。そのかわり—————いや、見た方が良いか》
コメントが流れていくが、今読み上げている余裕がない!
「誰か助けて!」
《来た》
一瞬のカットインが入った瞬間、戦闘からムービーへと切り替わる。
白い閃光、ミステリアスな眼帯、口元からたなびく紫煙、そして……世界観に合わないものを腰に帯刀しているという圧倒的個性。
『……あはは』
朗らかに笑った彼女は、歌うように必殺技を宣言する。
『加速しろ、俺だけの世界……『
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