正と悪#

海星

第1話 理想を求めて

――――――管理人室。


「おっさんいる?」

「お?どうした。」

「あのさ、相談があって」

「どんな。」


短髪長身の研究者というよりクソ弱マフィアみたいなやつがここの所長。


「女欲しい。」

「ざっくりしてんな。」

「俺好みの粘着質で綺麗な熟女がいい。」

「探しといてやる。」

「ありがとう。」




――――――――――――夜の海。


上半身裸で指先で撫でていると、手が伸びてきた。


「っ……。」

「大きい。」

「色んな人にしてもらってるから。」


その人は僕の胸の先端に舌を立てた…。


「ちょっと……」

「面白い…女の子みたい。」

「うるさい…。」

「うるさい?」

「……」


僕が微笑むと頭を撫でてくれた。

ふわっと香る優しい匂い。


「ねぇ、俺だけ見ててくれる?」

「その為に来たのよ?」


僕は少しだけ起き上がってキスしてそのまま引き込んだ。


「手が早いのね。」

「手出しといてよく言うよ。」

「悪いのはこの口?」


そう言うと優しく口付けて、僕が求め始めるのを待った…。


今迄にない人。

AIだよな…?って思うくらい人間くさい感覚。

でもちょっと完璧すぎる。


僕が裏をかいて焦らすと、

体を撫でてきた。


…こいつ絶対人間だ。


たまらず求めると勝ち誇った顔をした。


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