アクリルケースの旅

月丘ちひろ

良作を見つけたとき

誰かが書いた良作を見つけたときの感情は、


好意を持った誰かが独占されていることを知った瞬間に似ている。


悔しいのはその誰かに抱いた好意も、


その誰かが他の誰かに抱いた好意も、


既に自分が本能的に認めてしまっているということだ。


まるで透明なアクリルケースの中に閉じ込められたように苦しくなる

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