反乱の行く末
@sar4
プロローグ:空白
『早く運び込め!またこいつが何をするかわからんぞ!』
ぼんやりとした意識の中で、彼は周囲を見た。
彼はストレッチャーに寝かされて、手足を縛られたまま白い廊下を4人ほどの戦闘服を着た男に運ばれている。
『ぐあッ···!』
今まで経験したことの無いような頭痛に襲われて、彼はうめき声を上げた。
体を起こそうにも固定されているから起き上がれない。
『頭が、割れそうだ···』
『待ってろよ···今助けてやるからな···』
彼の寝かされているストレッチャーを押している男の一人が口を開いた。
男の声はひどく焦っているようだった。
彼は男の顔を見ようとしたが、意識が朦朧としていたので男の顔はよく確認出来なかった。
頭痛に苦しむ彼の視界に、テレビの砂嵐の様なノイズが走った。
ノイズとともに視界がチカチカと激しく点滅する。
それは人の視界というよりも、テレビやコンピューターの画面を見ているようだった。
病室のような部屋の扉を抜けたところで突然彼の目の前が暗くなった。
"何としてもやり遂げろ"
真っ暗な視界の中、彼の頭に聞き覚えのある言葉が響く。
そこで彼の意識は途切れた。
◇◇◆
「·····」
トラックの荷台の中で彼は意識を取り戻した。
この様な夢を見ることが彼にはよくあった。
誰のものかはわからない、ひどく鮮明な夢で、彼はその夢が嫌いだった。
トラックの荷台は真っ暗で、座っている場所を指で触ると砂が付く。
最悪な環境だがここから出られるのなら彼にとっては何でもよかった。
しばらく揺られていると突然トラックが止まった。
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