第11話 巣立洋々

 

 ひなたちゃんは、今が覚えたてのやりたい盛りで、家庭教師の最中も「次はいつ?」とやかましい。

 授業中は勉強に集中することを条件に、月2回、そっちのお相手もすることになった。

 さらに真優さんにも「機会はひなたちゃんと公平に」と約束させられた。


 授業と週四日のバレー部の練習と週一日の家庭教師の合間を縫ってこれをこなすのは、通学時間一時間強の自宅生にとって、もう限界だし、真優さんはともかく高校生のひなたちゃんと度々ラブホに行くわけにはいかない。


  バイト収入もあるので、大学の隣駅の西国分寺に小さな部屋を借りることにした。


 ワンルームに本棚と机、ベッドを入れると生活スペースがほとんどなくなってしまうが、目的が目的だからこれで良しとした。


 ひなたちゃんと真優さんには合い鍵を渡した。


 引っ越し荷物を解いていると、学校帰りのひなたちゃんが部屋にやってきた。


「制服の女子高生としてみたくないですか」

とスカートの中に手を入れると、パンティを脱ぎ始めた。


 それではと小柄な彼女を膝に乗せたところで、ドアが開き、真優さんが部屋に入ってきた。

 あわてて身体を離し衣服を整えると、脱ぎ捨ててあったひなたちゃんのパンティを枕の下に隠した。


「あれ、ひなたも来てたの。何しに?」

「んー、引越しの手伝いだよ」


「なんか怪しい」と鼻をくんくんする真優さんは、ひなたに近づくとスカートをまくった。


「やっぱりだ。抜け駆け、ずるいそー」


 きゃいきゃいと言いあっていた二人だが、やがて話がまとまったのか、服を脱ぐと、二人してベッドに入った。

 間に置いた枕をぽんぽんと叩いておいでおいでをするので、俺も二人の間に滑り込こんだ。


「真優ちゃんが邪魔したんだから、最初は私だよ」


「じゃ、私も一緒にひなちゃんを攻めちゃおう」


「ぎゃー、なに触ってんのよ。私のそこは先生のものなの」


 ベッドの中でのはしゃぎ合いあいながらのひと時は、思いのほか楽しかった。


 遥さんとのことで一時は自暴自棄になっていた俺に、ようやくリア充な人生が戻ってきた。


この二人のこと、大事にしないとなと、しみじみと思う俺だった。


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