第10話 見えない敵

片桐俊介は、エミリーの上司ジョン・ハリスが事件に関与している可能性に驚愕し、その真相を突き止めるためにさらに調査を進める決意を固めた。エミリーを守るために、彼は一層深く真実を追求する。


俊介はジョン・ハリスの行動を調べ始めた。彼はジョンが何らかの理由でエミリーを狙っているのではないかという疑念を抱き、その動機を探ることにした。まず、ジョンの過去の経歴や彼が関わっているプロジェクトについて詳しく調査する。


ジョンは長年「グローバル・テクノロジーズ株式会社」で働いており、数々の重要なプロジェクトを成功に導いてきた実績があった。しかし、最近のプロジェクトで何か問題があったのではないかと俊介は考えた。


エミリーとの対話を通じて、俊介はジョンが彼女に対してどのような態度を取っていたのかを詳しく聞き出した。エミリーは、ジョンが自分に対して厳しいながらも公正な評価をしてくれていたと話すが、最近は何かしらのプレッシャーを感じているようだったという。


俊介は夜になると、再度未来のビジョンを視るために集中力を高めた。エミリーの写真を見つめ、彼女の恐怖と不安を自分に重ね合わせることで、未来の一瞬を再び視ることに成功する。


ビジョンの中で、エミリーのオフィスに侵入する犯人が再び現れる。俊介は犯人の動きを詳細に観察し、その行動パターンを分析した。犯人はエミリーの机の引き出しから何かを探している様子が見えた。さらに、犯人が口元に手を当てて呟いた言葉を俊介は読み取ろうとした。


「…これが…全てを…」その断片的な言葉から、犯人が何か重要なものを探していることが分かる。俊介はその手がかりを元に、エミリーの机の中を調べることを決意する。


翌日、俊介はエミリーのオフィスを訪れ、彼女の机の中を調べることにした。エミリーの許可を得て、引き出しの中を丹念に探る。すると、彼は一枚のメモを見つけた。メモには、「プロジェクトX」と書かれており、詳細な情報が記されていた。


俊介はそのメモを読み進めるうちに、ジョンがエミリーのプロジェクトを利用して何か大きな計画を進めていることに気づいた。プロジェクトXは会社の機密情報に関わるものであり、その情報を手に入れようとする動きが見られる。


「これが全ての鍵か…」俊介はそう呟き、メモを持ってエミリーのもとに戻る。


「エミリー、このプロジェクトXについて何か知っていることはあるか?」俊介は問いかけた。


エミリーはメモを見て驚愕し、「これは機密プロジェクトで、私しか知らないはずの情報です。どうして…」と答えた。


俊介はエミリーの言葉に重みを感じ、彼女を守るための新たな計画を立てることにした。彼はプロジェクトXの真実を突き止めるために、さらなる調査を進める決意を固めた。


その夜、俊介はエミリーを安全な場所に避難させ、ジョンの行動を密かに監視することにした。ジョンの動きを追っていると、彼が深夜に会社に戻り、何かを探している姿を目撃する。


「一体、何を探しているんだ…?」俊介はその様子を見守りながら、ジョンの目的を突き止めるために更なる手がかりを探し始めた。

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