デビルヴァンパイア奏音

ココ異世界

第1章

第1話『里帰り』


 2028年、夏。


 私の名前は神崎奏音かんざき かのん

 中学校は夏休みで、私は実家のあるしま里帰さとがえりをしていた。

 私は石の階段かいだんについてるすなを手ではらった後、すわる。

 洋服のポケットにいれていた『スマートフォン型グリモワール』の『スマグリ』を取り出し、操作そうさする。


『江ノ島にはついたかな?』

 私の師匠がチャットしてくれていた。

『着きましたよ』

 Ⅰ分後。

『そっかぁ~、江ノ島っていいよね~、海があるし、しらす丼も、おいしいし』

『そうですね』

 1分後。

『何か、こまった事があったら、いつでも連絡れんらくしてね?』

了解りょうかいです』


 師匠の名前は、八雲空音やぐも そらね

 最強の冒険者であり、上位の神様かみさま

 今では世界の管理者『ワールドアドミン』の一員である。

 彼がいる世界軸せかいじくがCだとしたら、私がいる世界軸はEである。

 物理とか化学にうとい私には、未だによく理解できていない。


 江の島の海を眺め、自分の感じるものを『スマグリ』に搭載されている、メモ帳につづる。

 

 空には鳥の魔物であるイエローバードが飛ぶ。波がおしよせては、ひき、おしよせてはひき。海の音が私の心を癒す。いそかおり鼻孔びこうをくすぐる。


 私はライトノベルが好きだ。読ものも、書くのも。いつか、小説投稿サイトで作品を出したいと思っている。

 師匠も確か、ラノベ好きなんだよね。



 ねこがすたすたと、こちらにやってきた。

『にゃ~』

「おいで」

 手招きすると、猫は私の元に来る。

 私は猫をでてみた。

『気持ちいいにゃ~』

 猫は気持ちよさそうに目をほそめ、しゃべる。喋るというより、念話ねんわだ。

 念話する猫、それは、猫の魔物である。

 おそらく、ワイズキャットだろう。

 だいたいの魔物が人をおそうが、中には人になつく魔物もいる。

 

 魔物というのは魔核まかくを体内に宿やどしている。

 魔核を破壊すれば、倒せるのだ。

 


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