𐎢𓊆155録𓊇𐎽 タバコとお酒は20歳から
___ウィィィィンッ……
「どーもです」
「ミーシャ?」
「お主もタバコ吸うんか?」
「いや…………2人して喫煙所に籠ってて、1人でテーブル席に座ってるのも悲しくなってくるじゃん?」
「えっ?そうかな?」
「そうでもなくない?」
「私は普通に前世の大学の頃とか暇潰しにカフェで1人で開店時間から半日くらいは普通に立て籠っていたことあるよ?」
「私も」
「よくそんなに居られるね!?」
「コーヒー飲みながら、適当に色々と作業したり、タバコすったりしているとね。意外とあっという間に時間というのが流れ過ぎ去るものなんよ」
「···································それは、本当に共感出来ないかもしれない」
「やってみって」
「いや…………私、めっちゃ寂しがり屋だから無理だよ。カフェとか、外食とか、1人では本当に行けないタイプ」
「あー、いるよね。一人行動が苦手なタイプって」
「どうやって生きてるのか不思議だよね?絶対に1人になるタイミングっていうのが生きていれば絶対にあるのに…………」
「1人で色々と出来る2人が羨ましい」
楓夏依と喫煙所で雑談していたところ、1人で寂しくなってしまったと告白してきたミーシャが喫煙所に入ってきた。
喫煙所自体が広く作られているので、女3人が集まったところで、スペースというのは有り余っている。普通に20人くらいは入れるほどの広さはある。
東京の繁華街の駅前の喫煙所ですか?っていうくらいの広さを誇っております。
それだけのスペースがあっても、他の人の邪魔にならないように、端の方に集まって一つの灰皿を2人で使っている。
後、あまり堂々と吸っているのも女VTuberとしても、ガチ恋勢に見られたら一気に炎上して、社長から小言を言われそうな予感がするので。
というか、ミーシャを喫煙所に連れ込んだみたいに社長に話がいってしまうだけで、何か言われる気がする。
社長、レムリアとミーシャの2人を寵愛していることを最近になって知った。自分の娘のように愛でていて、タバコとか酒とかも一切嗜ませないようにするということを徹底しているということを2人から聞いた。
過干渉型の毒親みたいな事をしているのが、だいぶ気色が悪いなとは思った。ただでさえ、所属当初の株主総会での事案によって印象が相当悪くなっているところに、そこに悪い情報が入ってくれば、「アイツは本当にヤバい奴なんだな」という認識を持ってしまっても仕方の無い事だと思う。
マネージャーさん達も「ゆみりちゃん達が所属してから、2人に対しての対応が更に悪化とした」と話していて、2人も「マジで夜な夜な淫らに仕上げられるのかもしれない」とヘラヘラと話しながらも、不安に思っている部分は結構あるみたい。
私達では無かったら、普通に裏の手口を使って契約解除に追い込むということも出来たのかもしれないが…………最初の事があるため、直接的な手出しが出来なくなっている事もあり、外堀から埋めていくような事しか出来ないのだろう。
埋まるのことない外堀を埋めていく、無駄な努力をしているな………と、[̲̅N̲̅][̲̅E̲̅][̲̅V̲̅][̲̅E̲̅][̲̅R̲̅][̲̅L̲̅][̲̅A̲̅][̲̅N̲̅][̲̅D̲̅]全体で、社長以外の人間はそう思っている。
私達の事をよく思わない演者も居るというのに、そういう人達からも嫌われていて孤立しているという………
改めて見ると、[̲̅N̲̅][̲̅E̲̅][̲̅V̲̅][̲̅E̲̅][̲̅R̲̅][̲̅L̲̅][̲̅A̲̅][̲̅N̲̅][̲̅D̲̅]という事務所は、経営自体がしっかりしているだけであって、組織自体の人間関係が最悪な流れになっているので、ふとした時に会社が終わってしまってもおかしくない雰囲気ではある。
(今も、社長の関係者とか………見張っていたりして)
分煙ブースの窓から、店全体を見渡してみる。今のところ、私達の様子を観察しているような人間は······························見当たらない。
後々になってくるかもしれないが、何かあっても、工場の時に出てきたような面倒臭い化け物連中さえ召喚されなければ………いくらでも対応のしようはあるか。
「ミーシャ、タバコ吸う?」
「えっ?」
「今までタバコとか酒とかも、あんまり嗜んでこなかったんでしょ?」
「お酒はVTuberになる前に少し飲んだことあるけど、私には合わなかったから飲まなくなっちゃったね。お酒に関しては私もレムリアも嫌いだから、そこは社長にとやかく言われることは無いけど…………タバコは前々から吸ってみたいなっていう気持ちはずっとあった。それで、ゆみりと楓夏依が吸っているのを見て、余計に吸いたいっていう気持ちが湧いてきた」
「今日もなんか言われたりした?」
「チャットのメッセージで「あの2人からタバコを誘われても絶対に吸わないように。喫煙所にも入らないのが望ましい」って言われている」
「あなる」
「だろうね」
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