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スポーツ新聞を持っている人は、背が高くてスポーティな恰好をしていた。
なんとなく写真のイメージだとまじめで勉強一筋って感じだったのに違った。
写真では背の高さまでわからなかった。
近くに行きポーチをこれって感じで見せて会釈した。
私の方に向き直りにこっと笑った。
笑顔はまあ合格。
「古賀です。初めまして。」
「初めまして、○○です。」
これがお見合いなのか。
ここで待ち合わせをしてレストランに行って食事をしながら話す。というのが今日の予定だった。
道々会話をした。
「○○さんは普段なんて呼ばれてるんですか。」
「あ、あこって呼ばれてます。」
「あこさんですか。」
怪訝そうな顔をしている。
「そうなんです。名前にあこはないんですけど、小さいころのあだなです。」
「そうですか。僕は小さい頃コンガと呼ばれてましたね。最近は呼ばれてないんですけど。」
「こんが?」
「はい。小さいころは真っ黒けだったんです。古賀からコンガ。なんか日焼けの連想だと思います。」
こんがは呼びづらいなあ。でも今は呼ばれてないのか。
「じゃあ古賀さんでいいですか。」
「はい。」
まあちょっと緊張感はあるけどまあまあ普通な滑り出し。
林君のようにガチガチって感じじゃあない。
でもこの人も今まで彼女が居なかったのか、うまくいってなかったのか、それともたまたま出会わなかったのかは、わからない。
だからどうしたって警戒する。
またトラウマ発動してしまうかもしれない。
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