65
「そうじゃないよ。むしろ頑張れよって励ましに行ったよ。」
「ふーん。」
「それもプレッシャーだったのかなあ。いい教訓だよ。」
「教訓って。また新しい子を見つけようとしてるでしょ。」
「いやその逆だよ。社内はやめとこってこと。」
「学んだわけか。」
「そう。」
「賢明ね。」
賢明か。偉そうなこと言っちゃった。
「あこちゃんも林はやめといた方がいいよ。」
ぎくっ。
なんで知ってるわけ?
「林はむしろ付き合ってあげた方がいい部類か。」
と言って笑っている。
噂って怖い。
深追いするのは止めよう。
「サブロー君、新婚生活はどう?」
「どうって、変わらないよ。」
「おっと、サブローに逃げたか。」
まったく。
「でもさ。会社まで辞めることなかったのになあ。」とサブロー君。
「そうね。」とさきお。
「人のうわさもなんとか言うしね。」と私。
「本人たちにしかわからないことだよ。」
モルト君にしては珍しいことを言う。
「なんだモルト、やけに優しいこと言うね。」とサブロー君。
「そうか。いつも優しいぜ。」
鼻で笑っちゃった。
「とにかく暗い雰囲気になっちゃったからさ、ぱーっと明るい行きたいのよ。」と私。
「もうすぐ夏休みだしね。」とサブロー君。
「そうそう。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます