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「そうじゃないよ。むしろ頑張れよって励ましに行ったよ。」

「ふーん。」

「それもプレッシャーだったのかなあ。いい教訓だよ。」

「教訓って。また新しい子を見つけようとしてるでしょ。」

「いやその逆だよ。社内はやめとこってこと。」

「学んだわけか。」

「そう。」

「賢明ね。」

賢明か。偉そうなこと言っちゃった。


「あこちゃんも林はやめといた方がいいよ。」

ぎくっ。

なんで知ってるわけ?

「林はむしろ付き合ってあげた方がいい部類か。」

と言って笑っている。


噂って怖い。


深追いするのは止めよう。


「サブロー君、新婚生活はどう?」

「どうって、変わらないよ。」

「おっと、サブローに逃げたか。」

まったく。


「でもさ。会社まで辞めることなかったのになあ。」とサブロー君。

「そうね。」とさきお。

「人のうわさもなんとか言うしね。」と私。

「本人たちにしかわからないことだよ。」

モルト君にしては珍しいことを言う。


「なんだモルト、やけに優しいこと言うね。」とサブロー君。

「そうか。いつも優しいぜ。」


鼻で笑っちゃった。


「とにかく暗い雰囲気になっちゃったからさ、ぱーっと明るい行きたいのよ。」と私。

「もうすぐ夏休みだしね。」とサブロー君。

「そうそう。」

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