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発表会が終わってしまうと、しばらくぼけーとした気分になってしまう。
気持ちを奮い立たせなきゃ。
でも今日は在宅の日だから気持ちが入りづらい。
ひとりでずっと部屋に居ると気が変になりそう。
終わってすぐ部屋を飛び出しさきお邸に向かう。
わんころもになぐさめてもらおう。
こういう時やっぱり彼氏が居ると違うかなあ。
「わんころもが私の彼氏」
言葉を理解したように激しく出迎えてくれるわんころも。
「なんかさ発表会終わるとがくっときちゃう。」
「そうね。あこちゃん大活躍だから。」
「さきおもいっぱいありがとう。」
「ううん、私は大したことしてないから。」
「そんなことないよ。そうだ、浜爺の知り合いがね、さきおのこと気に入ったみたい。」
「おじいさんには受けがいいんだ。」
「違うのよ。知り合いの人は若い人。」
「そうなの?」
「そう。打ち上げの時に云われた。でもその人どんな人だったかわからない。」
「うん。」
「まんざらでもない顔している。」
「もう!悪い気はしないもの。」
「そりゃそうね。」
「私にはそういう人居ないのよね。」
「いるじゃん。林君。」
「あぁ。」
林君か。
違うんだよなあ。
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