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「あっちの人たち見てため息ついたでしょう。」

「ばれた?」


さきおはいつも観察がするどい。


「私もあんな日が来るのかなって。」

「来ると思う。」


来てほしくないって顔してる。


「さきおと一緒の方が楽しいけど。」

と言って、さきおに抱きつく。


「きっと出来るわよ。」


寂しそうな顔で言わないの。


わんころもが嫉妬してふたりの間に割り込もうとする。


「よし。わんころも。走るよ。」


ひとしきりわんころもとかけっこしたら汗が吹き出てきた。

暑いなあ。


「林君は大丈夫?」

「うん、あの後一度偶然会ったら、普通に挨拶してきてほっとした。」

「いい人ね。」

「そう。」


いい人なんだよなあ。

なんで好きにならないんだろう。


「私のことは心配しないで。」とさきお。

「そんなんじゃないって。」


さきおも優しいな。


私って男性を好きになること忘れちゃったのかしら。

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