香水

スマホが鳴る。

今から会える?とメッセージが入った。

「もう行くね」

「……あいつのとこ?」

それには答えず、お金を置いて店を出る。

なんで彼ではなく、あの人じゃないとだめなんだろう。

駅まで走りながら、結っていた髪を解く。

あの人の好きな香りを纏いながら、私は微笑んでいた。

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