第24話 リベルとの初夜
「「お兄ちゃんまたね~!」」と言いながら出ていく二人を見送ると、入れ替わるようにリベルが部屋に入ってくる。
「...妹たちと遊んでくれてありがとうね」と、開幕かららしくない言葉を吐くリベル。
「随分、しおらしいな。...なんだ?女の子の日か?」
「...金玉つぶすよ?」
「ふん。俺の金玉は鉄筋だから潰れないぜ?」
「...うん。じゃあ、試してみる?」と、不敵な笑みを浮かべる。
「勘弁してください。姉御」
「あんたのお姉ちゃんになった覚えとかないから。というか、あんなのお姉ちゃんなんてごめんだし」
「...さいですか」
「...ベッド...入っていいかしら?」
「どうぞ。ご自由に」
そのまま一緒にベッドに入る。
「...ほいじゃ、お休み」
「何寝ようとしてるのよ」と、脇腹を抓られる。
「痛っ!?」
「...あの【X】が女の子に脇腹を抓られただけで痛がるなんて...誰も信じないでしょうね」
「あのなぁ...痛いもんは痛いから。まぁ、戦闘中はアドレナリン的な物質が出るような魔法をかけてるから、基本痛くないけど」
「...アドレナリン?なにそれ」
「脳内物質だよ」
「...よくわかんない」と、言いながら枕もとの電気を消すリベル。
「ほんじゃ、お休み」
「だから、何寝ようとしてんのよ」
【挿絵】
https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093080146368295
「ベッドは寝るところだぞ」
「...そんなのは百も承知だから。そういうことじゃなくて、男女が二人...それも夫婦で迎える...初夜なんだから...そういうことするでしょ」
「なんだ、リベルもむっつりなのか?」
「誰がむっつりよ!//てか...『も』ってなによ」
「...今日の朝方アインちゃんに襲われたんだよ...。あの子は相当なむっつりであることが分かった」
「...したの?」
「してるわけないだろ」
「...なんで頑なにしないの?別にアインとも...私とだってしたくないわけじゃないんでしょ?」
「...むしろなんでそんなにしたがるんだよ」
「そんなの...あんたとの子供が欲しいからに決まってるでしょ」
「...子供目当てかよ。なんか誘拐犯みたいだな」
「あんたはどっちかというと愉快犯だけどね」
「ちょっとうまいこと言わなくていいから。まぁ...そういうのは今はいいかなって...。そういうのは時間をかけてするもんだと思ってるし。だから、今は添い寝とかそういうのでいいかなと」
「...ふーん。見た目と違って硬派なんだ」
「誰の見た目が違うって?」
「あんた以外に誰かいる?」
「...まぁ、そういうことだから」
「...そう」というと、そのまま背中に張り付いてくるリベル。
「...本当は私も怖かった。というか...今も怖い。...あの場所でのあの光景を見ているから...そういうことに少なからず恐怖...はあると思う。だから...それを克服したくて...忘れたくて...焦っちゃったのかも。ごめん」
「謝ることじゃないだろ。誰にだってトラウマはあるもんだ」
「...じゃあ、あんたにもあるの?」
「当たり前だろ?俺なんてトラウマだらけでの黒歴史祭りだよ」
「あんた...たまによくわかんないこと言うよね。造語的なの」
「...造語ではないんだがな」
そんな些細でたわいもない会話を交わしているといつの間にか俺は眠ってしまっていた...。
◇翌朝
目を覚ますと...目の前にはリベルが居て...じーっとこちらを見つめていた。
「うぉ...っびっくりした...。なんでじっと見てたんだよ...」
「...」と、何も言わずに俺を見つめる。
「...なんだよ」
「...あんたのこと、硬派だって言ったこと...訂正していい?」
「は?なんで...」と言われて...ようやく自分の手の感触が脳に流れてくる。
シルクのツルツルとした生地の先に感じる...小山程度の柔らかな感触...。
こ...これは...!
「変態!!//」と、大〇翔平もびっくりな第5号の場外ビンタが顔面に直撃するのであった。
そのまま、ふんすか言いながら出ていくリベル。
ったく...俺も朝食食べに行くか...、自室を出ると背中のほうからとんでもない殺気を感じるのであった。
恐る恐る振り返ると...そこには手には小さなナイフが握っているアインちゃんの姿があった。
【挿絵】
https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093080146701879
「殺す殺す殺す殺す殺す」
こわいー!!!さすがは鬱ゲーのヒロイン!!怖すぎるんですけど!!
「いやいや!!何もしてないから!!」
「知ってる知ってる知ってる...何もしてないことくらい知ってる...だってずっと扉に耳を当てて中の様子を聞いていたんだから。もしそういう声が聞こえたら...殺そうと思ってた...」
ひえ!!
「じゃあ、お、俺が無実だって知ってるよね!?」
「...確かに夜はそういうことしてないのは分かった。なのに朝...リベルちゃんの胸を揉んだって...聞こえた...許せない、矯正が必要...ううん...去勢が必要...」
「ひええええええええええ!!!」と、そのまま城内を走り回るのであった。
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