魂の所在


子どものころ


誰かが 亡くなって


駆けつけて


包帯の巻かれた顔を見た時


生きていないのに


動くって聞いて






死んだ誰かのそばにいるのって


なんだか


とても恐ろしいことに思えて




でもそれってきっと


そこにまだ魂があると


そう感じているからで




火葬場で


扉が閉まり


休憩所から呼び出されるまで


もし 途中で生き返ったら


どうするんだろう


あの釘は


なんのために打ったんだろう


なんて考えて


恐ろしくなって




それも、まだその


「肉体」に


魂が「居る」


そう思ってるからで




けれど


骨上げが始まって


壺に


小さな小さなその骨を


拾い上げていると




不思議と


本当にもういないんだ






そう思えて


呆然とする





見えているその


「ヒトのカタチ」に


魂が宿っている


無意識に


そう感じたんだなって




ふと


思い出す







遺影に向かい


そっと


手を合わせて













































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