第23話 平和回はいずこ!? 静かな森の湖畔殺人事件??
佳代子はこの時、完全に油断していた。
これまでも結構あったのだから、今回くらい平和に過ごせるだろうと……。
ところが……。
突如として佳代子の悲鳴が上がった。
ぎぃゃぁぁぁぁぁぁああああああ!!??
皆一斉に淡水パール選別小屋に駆けつけた。
が……。
「聖女様―――――――??」
グラハムが最初に小屋に入り、佳代子の安否を確認する。しかし、佳代子の姿は見当たらない。ところが……。
足に何か当たり視線を落とすと……。
全身真っ赤になって倒れている、佳代子が……。
「聖女様!?!?!?!?!?」
その後でコーラルが涙ながらに叫んだ。
「ウソよ!! カヨコ……アンタ、死んじゃったの!?!?!?
ビジュアル的に聖女の代役する自信はあるけど、アタシ、神通力持ってないわよ!?!?
逝くなら神通力残して――――。」
べしゃんっ!!
コーラルの額のいい位置に、真っ赤に染まったハンカチが入った。
「勝手に殺すんじゃないわよ!!!」
「聖女様。何事ですか!? 一体なぜこのような……。」
佳代子はグラハムに助け起こされた。
「それがね――――――……。」
◇◇◇ 約5分前に遡る――。 ◇◇◇
佳代子達一行はガルシアに到着して、領を治めるレイク男爵や、ガルシアの各村落代表の村長さん達と挨拶が済んだ後、村を案内してもらっていた。
「ここガルシアの特産は淡水パールでして、この様に、色とりどりのパールが採れるのです。」
と、ライト村村長の娘さんカーラさんのお話を聞きながら案内してもらっていた。
因みに、この時佳代子は一人だった。
グラハムさんは警備の関係で村の周辺の確認へ、ケネス君は荷物の確認と、聖石までの道の確認。
コーラルは一人湖で遊泳。
そして、事件は起こった。
「よろしければこちら、村のラズベリージュースです。」
木製ジョッキに注いでくれたので佳代子は、一口。すると……。
「えぇ!? 冷たい!! どうやって!?」
「うふふ。実は、ここ盆地になってまして、寒暖差が激しいのです。
井戸でジュースの樽を冷やしておけばいつでも冷たいジュースがいただけますのよ。」
「なるほど。」
佳代子は一気にジュースを煽ろうとしたその時。
「それーっ!!」
バシャーっ!!!!
「まぁ!! なんてことするの!?」
村の子供にイラずらで、ジョッキの底を、さすまたの様に先が枝割れした棒でクイッと上げられてしまった。
佳代子は頭からジュースをかぶりビショビショに。カーラさんは
「拭くものをお持ちしますっ!!」
と、駆けて行き、私はパール選別小屋で一人に。
そして……パールの詰まった箱の中から、蠢く影が……。
ヌッ…………。
茶色くてヌメッとした幼児サイズの巨大鯰が、本来ないはずの手足を使って立ち上がり……。
ニヤ……。
ぎぃゃぁぁぁぁぁぁああああああ!!??
佳代子は蛙、爬虫類等、ぬるっとしててニョロっとしている物が大嫌いであったため……。
気絶。
冒頭に戻る。
「今、思い出しただけでもゾォ気が収まらない……。」
佳代子、カタカタ震えながら事の顛末を話終えた。
「なーんだ、魚見ただけじゃないの……。」
コーラルはため息を漏らし、やれやれのポーズを決めた。
「ただの魚じゃ無いわよ!! 手足がついてたんのよ!? しかもデカかったの!! 3歳児くらいのサイズ感だったのよ!?
怖いでしょ!! フツーに!!」
そこに、拭くものを取りに戻ってたカーラさんがやって来て
「聖女様、遅くなってすみません!」
ところが皆集まってやや不穏な雰囲気。カーラさん、えーとと戸惑われているご様子。
「ちょっとしたアクシデントが――――。」
佳代子が事情を話すと。
「まぁ!! それは……湖の妖精ドボン様ですね!」
「ド……ドボン様。」
ネーミングが……。
「えぇ。滅多にお姿を現しませんが、何か起こる前には姿を現される妖精でして。きっと聖女様を歓迎くださったのですね。」
カーラさんニッコリ。
歓迎……妖怪鯰に?
「へ、へぇ〜。そうなんですねー。」
正直嬉しくない。
まぁ、でも、さっき思い切り叫んじゃったしなぁ。
一応、地域の守り神様? 的な存在でしょ?
私、聖女だし? 相手も寛大な気持ちでいてくれるといいなー……。
と、希望的観測を胸に、その日は翌日に備えて男爵様のお屋敷で、一泊することに。
そして……。
「「やだーっ!! カワイイ♡」」
男爵様のお屋敷を見て、コーラルと二人キャーと佳代子は騒いだ。
男爵様のお屋敷は木造建築の北欧系のお屋敷で、童話の世界のカワイイお屋敷。
スマホがあったら写メとりまくるのに!!!
「お気に召していただけた様で何よりです。」
と、男爵家の執事さんもニッコリ。
「こちらがお部屋でございます。」
「わぁ……!」
案内された部屋に佳代子は感嘆の息を漏らした。
頭上にはシンプルなシャンデリア、アイボリー調の落ち着きながらも高級感のある室内。
それとなく置かれた家具はとろっとした滑らかな艶があってラグジュアリー感up。
一泊うん十万円もする高級ホテルのようなお部屋♡。
「あぁ……夢みたいっ!!」
ステーシスやお城で案内された部屋とは大違い!!
「ホホホ。聖女様御冗談を、お城のお部屋のほうが何十倍も豪華でございましょう」
執事さん悪気なく言う。
そーねー。執事さんは知らないものねー。
私がぁ、シンプルを極めたお部屋に泊まってたなんてぇ……。
「うふふふふふふ。そうですねぇー。」
佳代子はお遠い目で笑ってごまかした。
そして、本日のお夕飯!
地元きのこと香味野菜のコンソメスープ
エスカルゴのニンニクバッチリのアヒージョ
川海老のボイル、タプナードソースを添えて
池蝶貝の香草蒸し
マスのパイ包み焼き
デザートは
ラズベリーのシフォンケーキ
はぁ~。今日も堪能しましたぁ。ごちそうさまでしたぁ……。
コーラルも貝に魚と魚介が多かったので大喜び。
旅の道中、スープに入ったビーフジャーキーが硬い臭いと文句ブツクサだったものねぇ。
そして皆で完食。
お風呂に入って〜今日はもう寝……。
私、お風呂場の木の扉を開けて固まった。
い、いる……。
「聖女。覚悟!」
鯰ーーーーーーーーーーっ!!!!!
ぎぃゃぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!
佳代子は本日2回目の悲鳴をあげた。
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