第17話 飲めや歌えや騒げ!!
ルートベイでのドタバタも、何とか治まり……
コーラル:
「ね、ちょっと! いい感じのドレスがないじゃない!!」
ケネス:
「それは聖女様のために用意したドレスです!
いきなり押しかけてきたアナタのドレスなんて用意してるわけないでしょ!!!」
ドアの外まで聞こえてるからねー二人とも〜。
お勤めも無事終わり、ケネス君も無事帰れて、町の皆でお祭りをしてくださるそう。
夕飯は、外に出て町の皆持ち寄りで野外大宴会!!!
で、私は夕飯までありがたく休憩させていただいてるのだけど……。
外の2人がうるさい。
そして不穏な音が―――――――。
キィィィィィィィィィィィ―――!!
何だこの絹を裂くような音!?
続いてケネス君の
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
「何!? どうしたの!?」
すると、私の夜会用のドレスが……
ミニスカワンピースに!
まさか……。
「まさか……ドレスのすそ破ったの!?」
「え。だって足は出すものでしょ?」
場は一瞬固まってしまった。
ナニ言ってんだこの人魚!!
そもそも……。
「人の物は勝手に壊してはいけませんと……
教わらなかったの!?!?」
「何よー。聖女が大声出さないでよぉ!」
どこの躾のなってないギャルだっ!!
「はぁ〜。わかった。今回格式張った会場じゃないし、聖女の正装で何とかなるでしょう。」
「なーんだ話判るじゃなーい☆」
コイツ……。
「アンタにドレスやるとは言ってないわよ!!」
「え!?」
◇ ◇ ◇
「ちょっと……。終わんないぃ。何でアタシがぁ……。」
人魚(男)が、ベソかきながら女性陣のヘアセット&メイクをやらされる。
「黙らっしゃいっ!! 文句垂れてないでキビキビ働くっ!!」
私、コーラルを後ろから監督する。
「聖女様……。ありがとうございます。
こんなに可愛くしてもらえるなんて♡」
町の女性達は皆大喜びだ。良かった良かっ。
「なーぜオバハン聖女にお礼!? アタシはぁ!? アタシに感謝はないわけぇ!!?」
私、後ろからコーラルの頭をはたく。
「い゙ったぁ!!」
「アンタはドレスという対価を払ってもらってんだろうがバカタレぇ!!」
そうなのだ。あのちぎっただけのドレスのすそでは問題ありすぎなので、町の皆さんにご協力いただくことになったのだ。
一応、ドレスは彼……、彼女か。の、サイズにお直しもお願いしている。
で、その対価が無料ヘアセット&メイクなのである。
皆、綺麗におめかし出来て大満足。
迷惑かけたにもかかわらず大変喜んでいいただけた。
「あ~ん。アタシのヘアセット&メイクが出来なーい。」
と騒いでるコーラルにも、皆様お優しく着付けとメイクを手伝ってくださった。
「やっぱりアタシはそうでなくっちゃ!!」
「礼を言わんか! こンのバカ人魚!!」
ベシッと私、人魚の一括。
代わりに私が頭を下げた。
「ホントすみません。ありがとうございました。」
「いいんですよ。なんだか人魚様と聖女様って親子みたいで微笑ましいですわ。」
アハハハ……。
と、適当に笑ってごまかしたが、我儘不良息子のママの気分なのは否めない。
そして……!!
「本日皆様、お疲れ様でしたっ!!
乾杯の音頭を承りました。不詳、聖女の岩谷佳代子です!
聖石の神通力注入も無事終わり、ルートベイはこれからも豊魚に恵まれるでしょう!!
そのこと祝しまして……
乾杯!!!!!!!!」
祝砲とともに皆の歓声が沸いた。
飲めや歌えや食えやの大騒ぎ!!!
イカ墨を使ったアーリオオーリ風の炒めもの
生牡蠣飲み放題!!
ボイルした殻付きエビにピリ辛ソース!
ホタテはやっぱり……バターでしょう!!
そして、忘れちゃいけない……。
海の幸の王様……カニ!!!!!!!!
そして……酔っ払いの屍転がる中、小さな女の子がマーガレットの花束持ってコーラルに
「人魚のおねぇさん。かわいくしてくれて
ありがとう!!」
ところが、コーラル一瞬固まる。
「どうしたのよ? もらってあげなさいよ。」
私がせっつくも、コーラルはえっと、なんて言って困惑している。
どうしたらいいのかわからないのかしら?
しょうがない。
「“ありがとう”って、言えばいいの。」
すると、コーラルはおずおずと、
「ありがとう……。」
「どういたしまして!」
女の子は満面の笑みでお母さんの元へ帰っていった。
その背中を見送った後、コーラルは呟いた。
「アタシ……ありがとうなんて……。
初めて言われたんだけど……。」
「良かったじゃない。
“ありがとう”を集めると、良いこといっぱいあるかもよ?」
「何よそれ……。」
私達は、次は国境を越え次の目的地へと向かう。
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