第4話 ホストH ④

ホストH ④


No.1は博愛の騎士スミカだ

その咽は赤色だ

大きく突起した咽喉

その喉仏は赫く、菱形をしていた


彼のノドが鳴らす声は中低音で、バリトンの響きにホールは震撼した。周波数が女を虜にした


スミカの仕事ぶりは静だった。囁くように話しをして、出来るだけコールなども敬遠した


客は裕福なマダムが多く、売掛金もなく清潔な仕事ぶりだった


・・・


博愛の騎士スミカはハミルENの傘にいた

月収600万円

ハミルENの成人40人に分割する

1人あたり15万


スミカは満足していた


ハミルENたる奇妙な屋根の下にいなければ、600万がそのまま自分の手元に入る。

39人に15万を施した


スミカはそれでよかった


両親が病で早世した彼の価値観はカネではなかった


金で繋がった摩訶不思議な家族

阿呆の着想ハミルEN



でもね


財布が家なんだよ

"今はね"みんなで同じ財布の中に住むんだ


ほら、こっちおいでよ

みんなで頑張れば、みんなで少しいい暮らしができるよ

貧しくなったってさ、みんな一緒だよ


悲しいけれどね、

"今はねおんなじお財布に住むしかないんだよ"


ほら、

チャックを占めてみんなでおやすみ


ここが住処だよ



博愛の騎士は稼ぎを分けれた


※博愛

広く愛すること

平等に愛すること


故に


博愛の騎士



カネで繋がる金の住処は、実は金の価値を弱めつつあった


スミカは確信していた


愛の住処お


#スミカ

#ホストH

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