香織とセリスは地下室での調査を続けていた。古い書物や巻物が積み重なった棚を一つ一つ調べていると、香織の目に一冊の古びた本が留まった。

「セリス、この本を見て。表紙に奇妙な紋様が刻まれている。」

セリスはその本を手に取り、魔法の力を使って中身を調べ始めた。

「これは……古代の言語で書かれています。でも、翻訳することができそうです。」

香織は頷き、セリスが本の内容を読み始めるのを待った。しばらくすると、セリスは驚きの表情を浮かべた。

「香織さん、この文書には驚くべきことが書かれています。アレクシスの過去に関する記述があるのです。」

香織はセリスの言葉に興味を抱きながら、さらに話を聞いた。

「どういうことですか？」

セリスは深呼吸をし、文書の内容を説明し始めた。

「この文書には、アレクシスが魔王討伐の際に奇妙な行動を取っていたことが記されています。具体的には、魔王を倒した直後に彼が一度姿を消し、数日後に戻ってきたというのです。」

香織は眉をひそめながら考え込んだ。

「姿を消した……？それは非常に不自然ですね。彼がその間に何をしていたのか、もっと詳しく調べる必要があります。」

セリスは文書をさらに読み進めた。

「また、彼が戻ってきた後、以前とは性格や態度が変わったという記述もあります。以前は温厚で親しみやすい性格だったのに、戻ってきてからは冷徹で非情な態度を見せるようになったと。」

香織はその言葉に衝撃を受けた。

「これは……彼が魔王を討伐した際に何かが起こったのかもしれません。その間に何か重大な出来事があったと考えるのが妥当ですね。」

彼女はセリスと共に文書を詳しく調べ続け、アレクシスの行動の謎に迫っていった。

「セリス、他にも手がかりがないか探してみましょう。この文書だけでは十分ではありません。」

セリスは頷き、再び書物や巻物を調べ始めた。その時、香織の目に一つの古い地図が留まった。

「この地図……何か重要な場所を示しているかもしれません。」

香織は地図を広げ、詳しく調べた。そこには王宮から離れた山奥にある古代の遺跡が描かれていた。

「この遺跡が、アレクシスの行動の鍵を握っているかもしれないわ。セリス、レオナ、ダリウスに知らせて、遺跡に向かう準備をしましょう。」

セリスはすぐに香織の指示に従い、レオナとダリウスに連絡を取った。彼らは全員で遺跡に向かうための準備を整えた。

「遺跡に行けば、もっと多くの手がかりが見つかるかもしれません。私たちは全力で調査を続けましょう。」

香織は仲間たちと共に遺跡への旅立ちを決意した。その場所には、アレクシスの過去に隠された真実が待っているかもしれない。

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