祈らぬ者

火事が起きた 対岸で


大きな炎が無垢な命を奪った


民は祈った 両手を組んで 


顔も知らない被害者達の 安否を願いただ祈る


ニーチェは言った 「神は死んだ」と


祈る神が居るのであれば 天から雨を降らすだろうと


俺は祈らない 神を信じない



胸の前に硬く結んだ手を解き



祈る両手を差し伸べてやれば


救える命があるのだから。

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